「仲がいいから」は、どこまで通用するのか
10月5日の参議院本会議を映した映像の一場面が、SNSで注目を集めている。
「中条きよし氏が松野明美氏の尻を叩いた?」
そう受け取れる国会中継の映像が拡散した。
映像では、本会議場で日本維新の会の中条きよし参院議員が、同じく維新の松野明美参院議員の腰から臀部付近を、手にしていた丸めた紙のようなもので「パン」と叩くような動作をする場面が映っている。
中条氏と松野氏はともに2022年の参院選で比例代表から初当選した同じ党の議員だ。参議院の公式サイトでも、現在ともに日本維新の会所属の参議院議員として掲載されている。
この短い映像だけを見て、「セクハラだ」「暴力だ」と断定することはできない。
映像からは、その直前にどんな会話があったのか、普段から2人がどのような関係なのか、中条氏がどういう意図でこの動作をしたのか、松野氏本人はSNSで「え〜っ、映ってたの⁈ 動画を見るまで、全く気が付きませんでした」とコメントしているが、この行為をどう受け止めたのかまでは分からない。
親しい間柄であれば、肩をたたいたり、冗談まじりに相手に触れたりすることは日常生活でもある。本人同士にしか分からない距離感も当然ある。
だからこそ、この一件を考える際には、「2人の関係がどうなのか」と「一般的に公の場でどう振る舞うのが望ましいのか」を分けて考える必要がある。
現在の社会では、職場などで他人の体に触れることについて、以前より慎重な配慮が求められている。
厚生労働省は職場におけるセクシャルハラスメントについて、「性的な行動」の例に「必要なく身体に触ること」を挙げている。また、厚労省職員向けの指針ではさらに分かりやすく、「親しさを表すつもり」であっても、本人の意図とは関係なく相手を不快にさせることがあると説明している。
人事院のセクハラ防止に関する指針でも、「身体に不必要に接触すること」は注意すべき行為の一つとして明記されている。
もちろん、こうした職場向けのルールを、そのまま今回の国会議員同士の行為に当てはめて「セクハラに該当する」と結論づけることはできない。
大事なのは、そこに示されている考え方だ。













