なぜ踏切に多くの撮影者が集まっていたのか

事件の様子を収めた動画はSNSでも急速に拡散された。

「動画では、男がいったん車を降りて撮り鉄らと口論した後、再び乗り込んで前進し、そこから勢いよくバックして1人の男性と接触しそうになります。さらに再び前進した後、複数の撮り鉄らがいる方向へ一気に急バックし、周囲の人たちが慌てて避けている動画は1200万回以上再生された投稿もあります。SNS上では加害者の行為は決して許されるものではないものの、三脚を立て道路を占拠 するなど“撮り鉄”のマナーにも非難の声があがっています」(同前)

西日本を走るキハ40形 (撮影/宮崎慎之輔)※公道から撮影しています
西日本を走るキハ40形 (撮影/宮崎慎之輔)※公道から撮影しています

では、なぜ事件当日の踏切にこれほど多くの撮影者が集まっていたのか。

JR四国によると、事件発生当時、踏切の手前で停車していたのは「キハ40形」だったという。長年鉄道写真を撮り続けるカメラマンの宮崎慎之輔さんが解説する。

「キハ40形は、車体が重たい上に製造当時に搭載されたエンジンが非力であったことから、JR他社に所属する同形式の殆どが高出力な新型エンジンに載せ替えられたり、JR西日本所属車の場合は塗装こそ国鉄時代の原色の『タラコ色』ですが、エンジン以外にも窓枠などがリニューアルされたりしています。

しかし、JR四国を走るキハ40形は、冷房設備を取り付けた以外は製造当時のエンジンを積み、製造された国鉄時代の状態を塗装以外維持し続けていて、『ほぼ完全な原型』とされているんです(原色のタラコ色に復刻している車両もあります)。

加えて、事件のあった時期は徳島市内で『阿波おどり』(8月12日〜15日)が開催されており、例年この時期にはキハ40・47形が1〜2両から、3〜4両まで増結されて運行されます。旧型車両の増結という『貴重な機会』に、四国外からファンが押し寄せていた可能性が高いです」