「脳のクセ」は、認知バイアスと呼ばれる
理性は、じっくり考えたり、判断したりするときに働く「冷静な司令塔」です。しかし、長時間フル稼働するのは苦手で、エネルギーの消耗も激しいです。
一方、直感はほとんど無意識に動くため、スピードもスタミナも抜群。「面倒なことはしたくない」「すぐにラクになりたい」という欲求にとても忠実です。つまり、何も対策をしなければ、いつでも直感のほうが優勢です。
この「脳のクセ」は、専門用語で認知バイアスと呼ばれています。そして、この認知バイアスをうまく活用して、人の行動を自然に、望ましい方向へと導く工夫がナッジです(ナッジはもともと「そっと後押しする」という意味の英語です)。
たとえば、レジ前に貼られた足型のステッカー。それがあることで、多くの人は自然と整列しはじめます。また、「いつもキレイに使っていただき、ありがとうございます」という一言を見た人は、トイレの使い方が丁寧になることもあります。
これらは、認知バイアスの特性に働きかけたナッジの好例です。つまり、ナッジという小さな仕掛けを使うことで、強制するわけでも、命令するわけでもなく、自然と行動を変えることができるのです。
ともすると、思うような行動ができない理由は、認知バイアスに合ったナッジがなかっただけである可能性が大きいのです。













