「女性は男性より共感力が高い」とは必ずしもいえない
種々の研究から、集団で見た差違には確かに脳の機能、例えば共感性について、男女差があることがわかっています。
共感性指数は女性が高く、システム化指数は男性が高いことがわかっていて、「統計的に有意な研究結果」ですが、実際には共感性指数の高い男性やシステム化指数の高い女性もいるため、オーバーラップも非常に大きいことがわかっています*1。
「共感性指数」は、どのくらい他者の感情を理解できるかを表します。「システム化指数」は、分析と探索にどの程度関心を示すかを表します。
つまり、性格の特性に統計的には性差があっても、一人ひとりを見ていくと重なりもとても大きいのです。ですから、共感力の非常に高い男児もいれば、分析力に優れた女児もいる。あなたやあなたのお子さんが、男児だから、女児だからどうとはいえないわけです。
「女の人は皆共感力がある」という言い方は間違いで、「集団で比べると確かに女性は統計学的に有意に男性より共感性が高いが、だからといって個々の女性は皆、男性よりも共感性が高いとは限らない。
つまり目の前の一人の女性にそれを機械的に当てはめてはいけない」というのが正確な言い方です。