人の行動の9割は「直感」が支配している
こんにちは、行動経済学者の竹林正樹と申します。私は今まで、「頭ではわかっているのに、なぜ行動に移せないのか?」という多くの人が抱える課題に向き合ってきました。
ダイエットしたいのに、3日坊主で終わってしまう人。貯金したいのに、オンラインショッピングで衝動買いしてしまう人。禁煙すると決意したのに、来週からでいいやとタバコを吸ってしまう人。この本を手にしたあなたも、このような願望と行動のズレに悩んだ経験があるはずです。
行動経済学とは、誘惑に飛びついてしまうような状況で、どうすれば望ましい行動ができるようになるのかを解き明かす学問です。そして、その数多くの研究から、重要なことがわかりました。
それは「頭ではわかっているのに行動できない」という現象は、誰もが共通して持っている「パターン化された性質」だということです。人の行動の9割は、「なんとなく」「つい」「気づいたら」といった直感に支配されており、「じっくり考えて行動しているわけではない」のです。
つまり、あなたが望む行動ができないのは、あなたが人である以上、仕方のないこと。あなたの意志の強さや性格とは、あまり関係がないということです。
これを証明する面白い実験があります。人の脳内信号を測定したところ、「手を伸ばす」という行動が、「手を伸ばそう」という思考よりも0.何秒か早く起きていることがわかりました。
こうした研究から、人は、「考えてから行動している」ではなく、直感で行動してから理由を考えていることが示されました。
しかし、人が生活するうえで、「無意識に行動しているシーン」のほうが、はるかに多いのです。たとえば、コンビニでよく買うお菓子を手に取るとき。スマホを開いてSNSを見るとき。誰かの話に「うん」とうなずくとき。こうした何気ない行動の背後では、理性よりも先に「直感」で動いています。













