「豊胸手術により乳腺が溶け、授乳ができない体に」
そう言うのは、2017年6月に全国展開する美容外科で、現在は安全性が問題視されているある豊胸手術を受けた女性、細田真理恵さん(仮名、30歳)だ。
細田さんが受けた手術は、その当時「98%が水分で安全」「入れても簡単に取り出せる」「自然な柔らかさ」が売りの「アクアフィリング」という製剤を乳房に注入する手術だった。
施術費は50万円超で、ローンを組み両胸に100㎖ずつ「アクアフィリング」を注入した。これは現在、法律で一律に使用が禁止されているものではないが、2019年には日本形成外科学会、日本美容外科学会など美容医療関連学会が、非吸収性充填剤を用いた豊胸術について「実施すべきではない」とする共同声明を発表している。
細田さんが体の異変に気づいたのは術後1年以上が経った2018年9月頃。
「左右が明らかに非対称になって、おっぱいの内部にシコリを感じるようになりました。怖くなってクリニックに行くと『揉めば散らばって柔らかくなる』とのことで、そのアドバイス通り実践しました。
でも非対称がますますひどくなり、医師の勧めで左右に100㎖の同じ製剤を入れられました。手術直後は胸の非対称は少しだけ改善したのですが、全体的に大きくなってしまって、やっぱり非対称が目立ち始めたんです」
この時点で痛みなどの不調はなかったというが、月日の経過と共に胸に痛みを感じるようになる。
「術後から2年後の2019年8月頃から左のおっぱいの下あたりに500円玉くらいの大きさのしこりが出てきました。そこがなんとも言えない熱を帯びた痛みを感じるようになって。特に生理前に痛みを感じるようになって、痛み止めを飲んでも効かないし気持ちが塞ぐようになりました」
当初は生理周期に合わせた痛みだったのが、次第に熱感や疼痛が時折みられるようになり「意識は常に胸の痛みに向くようになった」と言う。
「どうにか除去してもらえないかと思って、2024年8月にアクアフィリングの手術を受けた美容外科を受診したのですが『当院ではもうその手術はしていない』と言われ、さらにフォローやケアも自己責任だって言われてしまって。
女だけじゃ舐められるかと思い、強面の彼氏を連れてクリニックに行くと、最初はクリニックの営業担当みたいな方が対応していたのですが『監査役です』と名乗るさらに強面の人が現れて『豊胸部位のトラブルはない』とハッキリ言われてしまいました」













