「働けば働くほど生産性が上がる」は大間違い…脳科学者が明かす「休むほど仕事の質が上がる」理由
何もしない時間 脳の隠れた機能を最大限生かす #2
努力とリラックスのバランスをとる
懸命に努力して休みなく働くことが確実な成功への道だという考えには、皮肉と悲劇の両面がある。
皮肉なのは、私たちが絶え間なく働いて成功を追い求める一方で、休息によってデフォルトモード・ネットワーク(DMN)を活性化できないために、疲れ果てて仕事の質が低下するということだ。
そして悲劇は、働きすぎが身体的な疲労だけでなく、脳に想定外の負担がかかるせいで精神的に追いつめられ、早死にを引き起こすということだ。
あくまでも仕事に全力を尽くすことに価値があるとする労働倫理を貫きたいのなら、そうしてもかまわない。
だが、本当の意味で長期的な生産性の向上を目指すのであれば、わき目も振らずにあくせく働くよりも、「やり方」(スキルやテクニック)と「あり方」(どのような気持ちで関わるか)、努力とリラックスのバランスをとることのほうが大事だ。
どんなときにCEN(セントラルエグゼクティブ・ネットワーク=目標の達成や高次の認知機能を要する作業を担う脳のネットワーク)を活用し、いつ休ませて回復させるのかを理解する。たとえわずかな時間でも作業から離れれば、その後は驚くほど長く集中することができる。
生産性を持続させるコツは、働くことではなく休むことなのだ。
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DMNに活動を行わせるために
<実践するためのヒント>
・1日に20分はぼんやりする時間をつくる。何も考えずに頭を休ませ、心をさまよわせながら、鼻からゆっくり深呼吸をする
・毎日、少なくとも数分間は通常のルーティンや思考から離れてみる。頭をリフレッシュさせ、DMNに活動を行わせるためには、折に触れて脳を休める必要がある
・長い散歩に出かけたり、電車やバスで窓の外をながめるのもいい。私はアイデアが必要になると、目的地を決めずにバスに乗ることもある
・バスタブがあれば、シャワーよりも湯に浸かることをおすすめする。筋肉痛をやわらげたり、血糖値を下げたりするだけでなく、考えを自由にさまよわせることができるため最高の思考力が生まれる
文/ジョセフ・ジェベリ 写真/shutterstock
何もしない時間 脳の隠れた機能を最大限生かす(かんき出版)
ジョセフ・ジェベリ (著), 清水 由貴子 (翻訳)
2026/6/17
1980 円(税込)
320ページ
ISBN: 978-4761278786
樺沢紫苑氏 絶賛!
\「休むこと」は、最高の脳の戦略である/
なぜ、散歩中にひらめくのか?
なぜ、ぼんやりするほど脳が冴えてくるのか?
なぜ、何もしないことで集中力と創造性を取り戻せるのか?
その答えは、
“休息時”に働く、脳の隠れた機能にあった。
現代人は、働きすぎている。
メール、会議、SNS、
終わりのない煩雑な仕事の処理……。
私たちの脳はつねに「集中モード」を強いられ、
気づかぬうちに疲弊している。
しかし、最新の神経科学は、
驚くべき事実を明らかにした。
脳は、「何もしていないとき」にこそ、
・記憶を整理し
・感情を回復し
・創造性を育て
・人生を変えるアイデアを生み出している
本書では、神経科学者である著者が、
世界最先端の研究と自身の体験をもとに、
・なぜ、「ぼんやりする時間」が創造性を高めるのか
・なぜ、自然の中では脳が回復するのか
・なぜ、ひとりの時間が認知能力を強くするのか
・なぜ、睡眠が脳を修復するのか
・なぜ、遊びや運動が脳を鍛えるのか
・なぜ「何もしない時間」が人生を整えるのか
を、豊富な神経科学の研究とともに解き明かしていく。
さらに、
・海馬
・前頭前皮質
・扁桃体
・デフォルトモード・ネットワーク(DMN)
など、脳の重要な部位がどのように働き、
私たちの思考、感情、集中力、
幸福感に影響を与えているのかを、
具体的なエピソードとともに、
驚くほどわかりやすく紹介。
「脳科学なのに圧倒的に読みやすい」
「読みながら、自分の人生を変えたくなる」
そんな知的興奮と実用性を兼ね備えた一冊。
さらに本書では、
・なぜ、過労は脳を壊すのか
・なぜ、現代人は休めなくなったのか
・なぜ、“生産性の罪悪感”を抱えてしまうのか
・なぜ、休むほどパフォーマンスが上がるのか
についても、世界最先端の研究をもとに解説する。
休息は、怠惰ではない。それは、
脳の機能を最大限に引き出し、
創造性・集中力・幸福感を取り戻すための
「積極的な技術」なのである。
仕事、創造性、人間関係、メンタルヘルス――。
疲れ切った脳を回復させ、
本来の力を取り戻したいすべての人へ。