囲い込みを防ぐための「キラーフレーズ」
非常に巧妙で、証拠が残りにくいのが囲い込みの厄介な点だ。怪しいと思っても、仲介会社は「いや、誤解です。一生懸命やっています」と必ず逃げる。では、売主はどうやって囲い込みを見抜けばいいのか。
西岡さんが提案する最も効果的な確認方法は、担当者にこう質問することだ。
「売却活動を始めたら、『他社さん経由のお客さんは、どのくらい来ていますか?』とダイレクトに聞いてみてください。普通に専任媒介でレインズに登録している場合は自社の客よりも他社からの問い合わせの方が多くなるはずです。この質問に対して担当者があたふたしたり、言葉を濁したりするようであれば、高確率で囲い込まれています」
もし他社からの紹介が不自然に少ないことが判明した場合は、すぐに「私は事情があって売りたいので、他社からの案内も絶対に断らないでください」と強く釘を刺す必要があるという。
さらに、被害に遭ってから対処するのではなく、媒介契約を結ぶ最初の段階で予防線を張ることが何より重要だ。西岡さんは、仲介会社を牽制するための「キラーフレーズ」を教えてくれた。
「契約の頭の段階で、ストレートに『御社は囲い込みをしますか?』と聞いてください。当然営業は『しません』と答えますから、すかさずこう伝えます。『私には売らなければいけない事情(売却期限など)があり、他社からの案内を断っている余裕は一切ありません。もし、他社からの案内を不当に断っていることを私が知ったら、国交省に直接言いますよ。囲い込みをしないことをこの場で約束していただけますか?』と」
ここまで明確にリスクを提示されれば、大半の仲介会社は「この売主の物件で囲い込みをするのは危険だ」と判断し、正当な売却活動を行わざるを得なくなるのではないかという。
「それでも完全に防ぐのは難しいのが実情です。だからこそ、最後は『担当者が信じられるかどうか』というフィーリングに頼る部分も大きくなります。内見した検討者の反応を聞いた際に『とても良かったです、期待できます』などと適当に言わずに正直に悪い反応も伝えてくれることや、買わなかった理由を聞いた時にごまかすのではなく、『予算が合わなかった』『希望条件とここが違った』と丁寧に説明してくれる担当者を選ぶべきです。もし媒介契約を結んだ後におかしいと思ったら絶対に契約は更新してはいけません。期限がきたら会社を代えましょう」
自分の資産を守れるのは自分だけだ。仕組みを理解し、正しい知識で武装することが、マンション売却を成功させる唯一の道と言えるだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部














