タワマンの本当のデメリット

――タワマンは世間の注目を集める反面、「あんなところに住むなんて」と批判を受けることも多いです。例えば、デメリットとしてよく「エレベーターの待ち時間が長い」と言われますが、実感としてはいかがですか。

西岡(以下略) よく言われますよね(笑)。これまで17年ほどタワマンに住んでいますが、5分待ったことは一度もありません。どんなに混雑する朝の時間帯でも、最長で3分くらいですね。もちろん、物件を選ぶ際にはエレベーターの設置台数を気にするようにはしています。

――震災時のリスクを指摘する声もあります。高層階ですと、かなり揺れるのではないですか。

実はそうでもないんです。東日本大震災のときは出張中で不在でしたが、帰宅したら引き戸が少し動いていたくらいで、物が倒れるようなことはありませんでした。もちろん、最新のタワマンは免震・制震構造がしっかりしていますし、3.11の教訓から非常用電源の確保など対策も進化していますね。震災時は自宅避難を想定していますので、備蓄はしっかりとしています。

免震・制震・耐震マンションの違いについても詳しい西岡さん
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――多くの人が同じ屋根の下で暮らすというのも問題が起こりそうな気がします。

マナーが気になる方を見かけることはあります。エレベーターのボタンを鍵で押しちゃうとか……。ただ、高輪のマンションでは、エレベーターで会った高齢のご婦人に「ごきげんよう」と挨拶をされました。その台詞をリアルで聞いたのは初めてで驚きました(笑)。治安はマンションやエリアによるのではないのかなと思います。

――逆にご近所さん同士のつながりがなく、無機質という声も。

それがそうでもないんですよ。先日も隣の部屋の方が「余ったので」と果物を持ってきてくださったりして。あと、デベロッパーからマンション住民同士の交流イベントについてのアンケートが来たんです。そういうことにこれから力を入れていこうとしているのかなと。

――ではタワマンにデメリットはないのですか? しつこくて申し訳ありません。

リアルな悩みで言うと、ピンポンを押されてから宅配便が玄関に届くまで少し時間がかかることですね(笑)。あとは機械式の駐車場だと、出庫に最大10分ほど待つことがあります。でも、そういったのは些細なことだと感じるくらい、他のメリットが大きいです。