甘い見通しと、政治的な思惑が、取り返しのつかない結果に

エチオピアでは、内陸国と港を結ぶ鉄道が需要不足で莫大な赤字を出し、結局は国が巨額の借金を肩代わりすることになった。

当初の甘い見通しと、採算を度外視した政治的な思惑が、取り返しのつかない結果を招いた。実質的に、国家全体の税金に事業失敗のツケを回したことに他ならない。

ナイジェリアの事例は、事態が一層深刻である。中国から巨額のお金を借りて鉄道網を整備したものの、列車の脱線事故が相次ぎ、設備の老朽化も進んでいる。

ナイジェリア内部では、資金の横領や汚職が横行している。鉄道会社の幹部たちが事業資金をかすめ取り、サービスの質が著しく低下している。システム全体が不正によって腐敗し、まともに機能していない。

なぜ中国は採算の取れない鉄道事業を世界中で乱発したのだろうか。背景にあるのは、中国国内の事情である。

高い金利を取り、不透明な条件を押し付けている

国内でつくりすぎた鉄鋼や、過剰になった鉄道建設の能力を、海外へ輸出する必要に迫られていた。多国籍企業や国際機関よりも早く、緩い条件でお金を貸し付ける代わりに、自国の企業に建設工事を独占させるという手法をとった。

相手国の支払い能力を厳格に審査せず、ただひたすらに規模を追い求めた結果が、現在の惨状である。借金を返せなくなった国々に対して、中国は返済期限を延ばしたり、新しいお金を貸し付けたりする最後の貸し手として振る舞うようになっている。

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国際的な支援機関とは異なり、高い金利を取り、不透明な条件を押し付けている。鉄道事業で利益を出すという目標はすでに放棄され、お金を貸した中国の銀行が損をしないための応急処置に追われている。

立派な車両が走り、立派な駅舎が建っていても、鉄道が国の未来を食いつぶす借金と引き換えであれば、誰のためのインフラか分からない。

中国がつくった新幹線や鉄道が迷惑がられ、大失敗と見なされる理由はこうした要因に集約される。巨額のお金を投じて国を豊かにするはずだった夢の超特急は、今や現地社会を苦しめる重い足かせとなっている。

文/小倉健一