家族が苦しんでいるのは自分のせい⁉

ひきこもって暴れる妹とは対照的に、坂上さんは小3からは休まず登校。高校では学年3位以内の成績をキープして、皆勤賞だった。

「妹のせいで家庭はぐっちゃぐちゃだったので、私は外で友だちと遊んだり、頑張る方に振り切りました。ちゃんと勉強して、しっかりした職業について、家庭を作り直さないと母親が死んじゃうと思って。

でも、そのころから、急に死にたくなったんですね。自分でも、なんで死にたいのか、なんで生きづらいのか、正直、わからなかったんですよ。

気持ちのやり場がなくなっちゃって、始めたのがカミソリで足首を切ること。でも、体育とかで靴下を脱ぐと見えちゃうから、切る場所を変えて、次は二の腕。その次は太もも。

当時あった匿名の掲示板にガラケーで悩みを書き込んで相談に乗ってもらい、どうにかこうにか自分を保っていました」

自傷行為も絶えなかったという(撮影/集英社オンライン)
自傷行為も絶えなかったという(撮影/集英社オンライン)

推薦で大学に進み、幼稚園教諭を目指した。自分が幼稚園児のとき、何をしても「美幸ちゃん大好きだよ」と言って抱きしめてくれた先生がいて、そんな存在になりたいと憧れたからだ。

大学での勉強は楽しく、一時は「死にたい」という気持ちもおさまっていた。

ところが、心理学などの勉強をして、自傷行為の背景にあるのは機能不全家庭だったとわかったことで、自分を責めるようになってしまう。

「私が学校に行けなくなったから、お母さんとお父さんを苦しめちゃって、妹も同じ道をたどったのかもって。勉強して理解が深まったことで、『全部、私のせいなんだ』って、関連づけちゃったんですね」