バス会社と学校の異なる主張…無責任の連鎖が生んだ事故

これほど危険なドライバーを運転席に座らせたのは、男子ソフトテニス部の寺尾宏治顧問からバスの手配を請け負った蒲原鉄道の営業担当・金子賢二氏だ。

「寺尾顧問から費用を安く抑えるためレンタカーと外部のドライバー探しを頼まれた」と主張する金子氏は「知人」の紹介を受けて初対面の若山容疑者に運転を依頼。その際、容疑者の健康状態や運転歴、運転免許証の種類の確認もしていない。

蒲原鉄道(撮影/集英社オンライン)
蒲原鉄道(撮影/集英社オンライン)

若山容疑者が所持していない業務用の二種免許を「持っている」と説明しながら金子氏に紹介したとされる「知人」は、金子氏の依頼でドライバー探しをしたが「引き受けてくれる⼈が⾒つからず、若⼭容疑者に依頼した」と福島県警に供述したと報じられた。

いっぽうで北越高校と寺尾顧問は、金子氏にはレンタカーと外部運転手探しを頼んだのではなく、通常の営業バス手配を求めた、と主張している。

しかし、蒲原鉄道が男子ソフトテニス部に昨年度に送った請求書には「レンタカー代、人件費」と書かれたものがあることが発覚した。

違法な「白バス」運行を前提としたことがうかがわれる請求を受け取っていた寺尾顧問は、「請求書の項目は確認をせずに支払い担当者に渡してたので(「人件費」と書かれた請求書があることを)認識していませんでした」と弁解。

灰野正宏校長は、部活動絡みの契約は「学校全体の体制としては、こちらがグリップを持たず部活動に任せていた」と主張している。

北越高校と蒲原鉄道は「何」を契約したのか。そして周囲が「運転なんか絶対にさせられない」と口をそろえる若山容疑者がなぜ運転手として目をつけられ、運転席に座ることができたのか。

無責任の連鎖が生んだ悲惨な事故。しかし、どれほど明快に責任のありかを究明しようと17歳の命は取り戻せない。

北越高校の会見にて(撮影/集英社オンライン) 
北越高校の会見にて(撮影/集英社オンライン) 
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班