エルヴィスを成功させた男たちが極上のポップスに仕上げた
ベン・E.キングの『スタンド・バイ・ミー(Stand By Me)』は、1961年5月29日のビルボード誌R&Bチャートで1位になり、3週間後には全米総合チャートでも4位まで上昇した。
この曲が生まれた1961年という時代背景に目を向けると、「我々にも公平な権利を」と訴えた黒人の公民権運動の萌芽を、どこかに感じさせる作品であることに気づくかもしれない。
アフリカ系アメリカ人のベン・E.キングによって作られた原曲は、黒人霊歌の『Stand By Me』とゴスペル・ナンバーの『Lord, Stand By Me』をヒントにしたものだが、それを極上のポップスに仕上げたのは二人のユダヤ系アメリカ人だった。
ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーは、エルヴィス・プレスリーが大きくブレイクするきっかけとなった『ハウンド・ドッグ(Hound Dog)』や『監獄ロック(Jailhouse Rock)』を書いたソングライターのコンビで、ロックンロールの時代を先導したプロデューサーでもある。
二人はソングライターとして、その後も『ラストダンスは私に(Save the Last Dance for Me)』、『ラブ・ポーション・No.9(Love Potion No.9)』など、黒人が歌うR&Bのヒット曲を数多く書いた。
プロデューサーとしては、R&Bにヴァイオリンとチェロによるストリングスを導入し、ポップス的な味付けを加えて後世に大きな影響を与えている。
ベン・E.キングとリーバー&ストーラーは音楽の世界でいち早く、黒人と白人との垣根を取り払い、両者の文化を隔てていた大きな川に、ロックンロールとR&Bによって大きな架け橋を作る先駆者となった。













