アイルランド旅行は「テーマ」が決め手
――アイルランドというと、ケルト民族のイメージがあります。 現地でそうした文化を垣間見ることはあるのでしょうか?
もちろんありますよ。たとえば、ケルト民族の伝統的な踊りをベースにした、上半身を動かさず、顔もポーカーフェイスで、足だけで踊るアイリッシュダンスがあります。
――変わった踊りですね… …。
これには歴史的背景があります。昔、イギリスの占領に際して、伝統的な踊りを含むアイルランドならではの文化や言語が禁止されました。その時に苦肉の策として生まれたダンスだったんです。室内で、無表情で、足しか動かさずに踊れば、窓越しに外から見られても踊っているとは気づかれません。こうした創意工夫で自分たちのアイデンティティを守ってきたんです。
――では、アイルランドのグルメはどうでしょう?
アイルランドの黒ビール(ギネス)で煮込む「ギネスシチュー」が有名です。ちなみに日本のギネスよりアイルランドのものの方が度数が低くフルーティで、水より飲みやすいくらいです。
――アイルランドはどんな人におすすめの国ですか?
住むのは少しハードルが高いですが、テーマを決めた旅行はおすすめですね。
たとえば、アイルランド文学ゆかりの聖地巡礼は、文学好きにはたまらないと思います。20世紀最大の作家の一人ともいわれるジェイムズ・ジョイスの『ダブリン市民』や、ノーベル文学賞も受賞した詩人ウィリアム・バトラー・イェーツの作品に登場する聖地をめぐる人は多いですよ。
アイルランドは第二次世界大戦に参戦せず、戦火も免れたので、古い建物が残っているのも魅力です。でも、冬季(12〜2月)は天気が悪いうえに日照時間も短く、営業しないお店もあります。旅行は人も街も活動的な5〜8月がおすすめです。
――天由子さんの今後について教えてください。
八雲の足跡については、まだまだ訪れたい場所があります。八雲がクレオール文化の研究のために訪れたカリブ海にあるマルティニークに行くことをずっと夢見ています。
あと、小泉八雲とその妻・小泉セツをモデルにしたNHKの朝ドラ『ばけばけ』でも描かれた熊本、そして神戸、八雲がトラモアを思い出したといわれている焼津なども訪れたいですね。そのときには、ぜひ八雲から数えて6代目の子どもたちも連れていきたいです。
このドラマをきっかけに八雲ゆかりの地を訪れたいという日本のお客さまを、夫と共にガイドしたり、家族で日本とアイルランドの架け橋になれたらと思っています。
文/おか けいじゅん
写真提供/守谷天由子さん
天由子さんのHP https://lit.link/ayuko8.cloud
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