小さなことにも幸せだと感じる
現在は18歳になっているひゅうがさんの、俯瞰したものの捉え方に驚かされる。しかも、抗がん剤の副作用に苦しんだり、未来への不安にさいなまれる中で、だ。ひゅうがさんの骨肉腫は神経に癒着しているため、人工関節の手術は難しいという。
「そこがいちばんショックでした。人工関節にできたら、自衛隊員への希望も持ち続けられたんじゃないかと思うので。僕の場合、肺や筋肉、脊髄、リンパ節などにも(がんが)転移しているので。
大腿骨切断手術を受けるためには、抗がん剤をストップしないといけない。なので、難しいところではあるんですけど……。ただ、僕は『餅は餅屋』だと思っているので、主治医の先生の言うことを信じて、治療を続けていくのみです」
冷静な受け答えを続けてくれるひゅうがさんだが、TikTokでは、
≪世の中には知らない方が幸せなこともある これは味わったことない人には絶対わからない感情≫
と無念さをにじませたこともある。
「やっぱり、自分がこういうふうになるとは思っていませんでしたし。僕は骨肉腫になって、初めて『生』というものに向き合った気がします。
今まで悩んでいたことって、すごくちっぽけなことだった。人間関係とか、些細なことでイラッとすることも多かったんですけど、別にどうでもいいことだった。すごくそう思いました。
今は『ご飯がおいしい』とか『天気がいい』とか、小さなことにも幸せだと感じることができるようになりました」
18歳の青年が今かみしめる些細な幸せ以上に、尊いものはない。彼は自分のためじゃなく他の誰かのために、身体の痛みをこらえながら、今日も動画を撮って光を届ける。
後編では在学時代の部活、自衛隊への想い、家族へ伝えたいことを聞いた。
取材・文/池谷百合子













