68単位報道…「あれはないわ」

そしてこの報道は、強制捜査を受けてもなお田久保氏を信じていた支持者らが一斉に離れていくきっかけになったと元支持者は話す。

「私も含めてですが、田久保さんが『大学を卒業していたと思っていた』というのをみんな…信じていたんです。もちろん100%信じているというよりは『そういう思い違いもありえる』という風に思って応援していた人たちが多かったんです。

ですが、大学の単位はほとんど取れていなかったって報道があったでしょう? あれでこれまで支持していた人たちも『あれはないわ』って言って離れていきました」(元支持者のBさん)

Bさんによると、2月中旬に家宅捜索がニュースで報じられたころまでは田久保氏にSNSで連絡をすると返信が返って来ていたが、「68単位」が報じられた後は連絡がつかなくなった。SNSでも饒舌だった田久保氏は2月中旬からはポストをしていない。

「私はしていませんが怒って電話した人もいたと思いますよ。さすがに本人も支持者だった人たちとは顔を合わせづらいから、目立たないように家にもいないでSNSもあげないんじゃないですか。田久保さんの後継者みたいな人はいません」(Bさん)

昨年12月7日、出直し市長選挙初日に地元の漁港で第一声を上げた田久保眞紀氏(撮影/集英社オンライン)
昨年12月7日、出直し市長選挙初日に地元の漁港で第一声を上げた田久保眞紀氏(撮影/集英社オンライン)

田久保氏は騒動の核心にあった卒業証書とされるものについて、東京の弁護士事務所の金庫で保管し「押収拒絶権」があるとして県警の提出要請を拒否。2月中旬の家宅捜索でも県警は押収できなかったとみられる。

「現物がなければ真偽は判断できないはず」と考えたフシもあるが、卒業していない人物が持ち歩いた紙が卒業証書であるはずもなく、県警は現物を入手できていなくても「偽造」と判断し、追送検したとみられる。

出直し市長選に落選した直後の昨年12月15日、田久保氏の自宅前で集英社オンライン記者が学歴詐称疑惑を改めてどう考えるのかたずねると「いや、詐称はしてないですよ。時系列にわかった順にご説明をしてますけど、まあやっぱり詐称してるとか嘘つきとかっていうのがちょっと先⾏しちゃったんでね」と反論していた。

だがこの言い分に捜査当局は取り合わなかったようだ。

後任市長となった杉本憲也市長は、田久保氏が有罪になれば、田久保劇場の中で行なわれた出直し市議選と市長選の費用計1億円を、賠償を求める意向だ。しなくてもよかったと思える“卒業偽装”が、とんでもなく重い代償をもたらすことになりそうだ。

※「集英社オンライン」では、今回の記事についての情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班