海外の学校は勉強だけを教える
──ドキュメンタリー映画『小学校〜それは小さな社会〜』に描かれた掃除や給食当番の風景は、海外では「すべてがユニークだ」と受け止められたそうですね。
山崎エマ(以下同) 海外の学校の多くはそもそも「勉強を教える場」ですから、生活面の教育をする感覚がないんです。なので私が日本の小学校時代の話をすると「掃除も運動会もやりたくない子は何してるの?」って言われて「いやいや、やりたくないって選択肢はないから」って。全然、話が噛み合わない(笑)。
でも本作を観て「日本の子どもたちの強さを感じた」という声が多かったんです。まだ小さい小学校1年生の子たちが協力し合い、与えられた役割を楽しみ、時には相手のことを自分のことのように思って泣くとか、自分たちの国では考えられないと言われることもありました。
そこには困難を乗り越えていく力があって、それを育む日本の小学校制度は人類がよりよく生きる上でのヒントみたいなものになるんじゃないかと思いました。
──今は日本の小学校教育の強さを感じている一方で、そこに至るまでには葛藤もあったとか。
小学生の頃は大阪の郊外に住んでいて、地元の公立小学校に通っていました。私はイギリス人の父と日本人の母から生まれたハーフですが、当時、周囲にはほとんどハーフはいませんでした。どこに行っても「日本語、しゃべれるの?」と言われ、「自分の居場所は日本にはないのかもしれない」と感じたこともありました。
その後、ニューヨーク大学に行ったら行ったで、映像制作のアートスクールだったこともあり、とにかく自己主張が強くて個性的な人が評価される環境でした。真面目にコツコツやるという私の日本人的な部分はまったく評価されないわけです。
日本と違って、授業に遅刻することなどは大した問題とはされません。真面目だった私は、自分とは対照的なひらめき系の天才肌の人たちが活躍するのを見て、ますます自分が日本人であることに弱みを感じていました。













