青切符導入後に強まる「死角」のリスク

トラックドライバーの死角のイメージ図
トラックドライバーの死角のイメージ図

実は運転席の真隣はドライバーの視界には入っていない。また、トラックの助手席側後方は自転車から「見えているはず」と勘違いされやすいポイントだという。

死角にいる人や自転車を検知し、ドライバーに知らせるカメラを開発している東海クラリオンの担当者がその危険性について指摘する。

「ドライバーが事前に安全確認をしていても、猛スピードで死角から進入してきた自転車が左折時のトラックの進路に入り込めば事故に繋がってしまいます。そして大型トラックと自転車の巻き込み事故は重症化しやすく、死亡事故となる割合が高いのです」(東海クラリオン担当者)

実際に事業用貨物自動車の対自転車事故の統計を見ると、令和2年以降交通事故全体は減少傾向にあるものの、左折時の事故はあまり減少していない状況が続いている。

公益社団法人 全日本トラック協会 対自転車の事故類型別死傷事故件数の推移(平成27-令和6年)
公益社団法人 全日本トラック協会 対自転車の事故類型別死傷事故件数の推移(平成27-令和6年)

「新車に関しては死角に人や車両がいることを検知する安全機器が搭載され始めているのですが、いま現場を走っているトラックの多くは、左側方に対する安全装置がついておらず、ミラーで目視をおこなっています。

また、大型トラックは荷台とドライバーの座席が分かれているため、人や自転車と衝突した程度の衝撃には気づけません。大型トラックが人や自転車を事故後に引き摺ってしまうのはこのためです」(前同)

不幸な事故は巻き込み事故だけではない。近年、利用者が増加しているスポーツタイプの電動アシスト自転車(いわゆるe-bike)のスピードにも困っているという。

「トラックは初速が遅いので、よく自転車に右から追い抜かれるんですけど、右後方も死角になってしまうため、やめてほしいです。最近はフードデリバリーが普及して、ロードバイクのように速度の出る自転車も多くなりました。そうした自転車が死角から飛び込んでくるケースは、ここ数年で増えたと感じています」(樋山祥さん)

樋山さんが普段運転している20トン車
樋山さんが普段運転している20トン車

交差点で左折しようとしている車を右から追い抜くことは、当然対向車が見えにくい自転車にとっても大きなリスクだ。