かつての不気味さは、いまや“クセになる”“かわいい”へ
またフェリシモ出版の絵本『ミャクミャクと… ミャクミャク誕生ものがたり』も、予約受け付け開始から12日間で1万冊を突破している。万博閉幕後も、ミャクミャク単体の商品力が続いていることを示す材料といえそうだ。
SNS上では、驚き混じりの反応が広がり、笑いと好意が渦巻く熱狂状態だ。
「ミャクミャクのグラビア!? お渡し会も絶対いく」
「なぜ俺はうっすらこの写真集にエロさを感じているのかを分析してほしい」
「ミャクミャクの写真集、誰が買うの?」
「袋とじの中にはミャク様のあんな姿やこんな姿や…」
「224ページ全部ミャクミャク様…だと!? 袋とじの中身が気になりすぎて夜も眠れない」
「色気満載じゃないか!」
重要なのは、こうしたSNSの声が単なる嘲笑ではなく、「ミャクミャクならやりかねない」「むしろ見たい」という受容に変わっていることだろう。かつての不気味さは、いまや“クセになる”“かわいい”へと反転し、そこにグラビアという過剰演出が加わることで、拡散しやすいネタとして完成している。
もっとも、購買層はある程度はっきりしている。全国的な一般読者が大量に買うというより、万博来場者、キャラクターファン、話題本をコレクションしたい層、SNSで盛り上がった勢いのまま記念購入する層が中心になるはずだ。
その意味で、この写真集は“内容でじっくり読ませる本”というより、“万博が生んだ熱狂を手元に残すグッズに近い出版物”と見るべきかもしれない。だが、まさにそこが強みでもある。
「ただファースト写真集でフルヌードになってしまったら、セカンド以降売るのが難しいのでは…。おそらくミャクミャクはこの一冊にすべてを賭けたのではと思います」(前同)
万博が巨大イベントとして成功し、その象徴としてミャクミャクが定着したからこそ、この一冊は成立した。売れるかどうかでいえば、大ヒットというより「確実に話題になり、相応に売れる」。
ミャクミャクの異様な生命力を考えれば、その見立てがいちばん現実的だ。
取材・文/集英社オンライン編集部













