地上波はネトフリの下請け?

日テレは1953年の開局2日目から巨人戦ナイターを放送してきた。センターカメラやホームランカメラ、球速表示など、多くの中継技術を野球中継に導入してきた局でもある。

さらに今回は、自由視点映像を実現するボリュメトリックビデオをWBC初導入。打者と捕手を地面スレスレから捉えるダートカメラも東京ドームに初めて埋め込まれた。

70年以上にわたって培われてきた日テレの野球中継技術が、Netflixの配信で活用されている形だ。

WBCの中継を支える日本テレビ
WBCの中継を支える日本テレビ

この構図に対しては「地上波はネトフリの下請け」と揶揄する声もある。

しかし、配信サービスがスポーツ中継でテレビ局と連携するのは珍しいことではない。ABEMAも2022年のFIFAワールドカップでテレビ朝日と共同制作し、全試合を生配信している。

ただし今回のWBCでは、地上波テレビ局にとって厳しい状況も生まれた。

Netflixは委託先の日テレにすら日本戦中継のサブライセンスを与えなかったため、地上波は試合映像を自由に使うことができない。

7日放送の『情報7daysニュースキャスター』(TBS系)では、安住紳一郎アナウンサーが映像使用ルールを説明。試合終了から約30分後にNetflixから映像が配信され、それを編集し、3分以内なら使用できるという。

日テレも例外ではない。WBCハイライト番組を放送しているものの、ニュース・情報番組では映像制限のため静止画との併用を余儀なくされている。

『Mr.サンデー』(フジテレビ系)では、宮根誠司らがNetflixの中継を見ながら実況する様子を放送。しかし肝心の試合映像は流せず、出演者のリアクションと手作りのスコアボードが画面に映るだけだった。

今大会は地上波テレビでの中継がなくラジオのみだが、テレビもそれに近い実況スタイルになってしまっている。

一方、『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京)ではNetflix共同CEOのグレッグ・ピーターズ氏への独占インタビューを放送。WBC独占配信を「新規会員獲得の最高の機会」と語った。