『いじめ』という言葉を『ツラいこと』という風に変えてほしい

そうして6年生の12月に入ってから2月までの間、週に一、二度放課後に学校に行き、ナナミさんは作文を書き上げたという。

放課後は担任も同席し、ナナミさんが書く内容については把握していた。しかし、出来上がった作文を清書し、両親とともに学校に持っていくとなぜか校長室に通され、校長、教頭、学年主任、担任に出迎えられたという。

小学生の頃のナナミさん(写真/家族提供)
小学生の頃のナナミさん(写真/家族提供)

そこでナナミさんが書いた作文を書き直してほしいという趣旨のことを伝えられた。母親が続ける。

「校長先生がナナミに対し、『書くのはツラかったね。ナナミさんに十分に寄り添うことができなかったということについては胸が痛くなってきます』と言った上で、修正案という形で書き直しの提案をしてきました。

学校側が修正したかったのは、『いじめ』という言葉を『ツラいこと』という風に変えてほしいということと、いじめていた加害児童の人数を出さないでほしいという点でした」

学校側がナナミさんの作文の修正を提案する理由は何だったのだろうか。

この日、校長は「作文にはナナミさんの顔写真や名前が載るものだから、この内容だと一人歩きしてナナミさんのためにならない」「後に大変な思いをしたり、危険に繋がる可能性がある」などと理由について説明したという。

学校側から求められた修正案(画像/ナナミさんの家族提供)
学校側から求められた修正案(画像/ナナミさんの家族提供)

さらに「中学校という新しいステージのスタートに思いを向けるべきだ」ということも校長は強調してきたという。

当然のことだがナナミさんも両親も納得がいかなかった。修正には応じず、結論が出ないまま話し合いは終わった。