休日のクリニックに若い女性が訪れていた

原田容疑者は中学からは私立の中高一貫の男子校に進学。日本歯科大学を卒業後、関東地方などで勤務経験を積み、2009年に現在の場所で開業した。

「最近はメルセデス・ベンツのゲレンデという高級車に乗っていましたね。以前は小さな外車でしたが、中古だとしても羽振りは良さそうに見えました。お子さんも2人いて、そんなマジメな普通のお父さんがあんなことをするなんて……」(同前)

クリニックの近隣住民は、事件前に不審な点を感じていたという。

「実は去年あたりから、本来は休診日のはずの日にクリニック内へ入っていく人が結構いたんですよ。今思えば、そのほとんどが若い女性でした。わざわざ休日に被害女性呼び出していたんじゃないかと、今では気味が悪がられています」(同前)

現場となった歯科医院(撮影/集英社オンライン)
現場となった歯科医院(撮影/集英社オンライン)

原田容疑者の自宅周辺は、築1年程度の新しい住宅が立ち並ぶエリアである。しかし、事件後の近隣住民はショックのせいか一様に口を閉ざしていた。

3月9日付の起訴状によれば、原田容疑者は診察台で目隠しをされた状態の患者に対し、「治療のため舌を動かす必要がある」と嘘を言い、わいせつな行為に及んだとされる。歯科医師会幹部が指摘した「密室で二人きりになってはいけない」という業界の鉄則を熟知しながら、それを悪用したことになる。

「彼は理事を務めるほど実務能力も高く、周囲からの信頼も厚かった。だからこそ、その裏でこれほど計画的に、かつ歯科医師という立場を冒涜するような行為を繰り返していたことは、ショックでなりません」

原田容疑者は逮捕後、家族を通じて会に辞任届と退会届を提出した。

地域の歯科医療を支えるリーダー、行政の専門委員、そして二児の父。いくつもの「信頼の顔」をもつ男は、被害者に大きな心の傷と、地域医療に深い不信感を与えたのだろうか。捜査の進展が待たれる。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班