ポスティング移籍した村上宗隆、岡本和真両選手への評価

2025年のシーズンオフ、前項で触れた村上選手と読売ジャイアンツの岡本和真選手が、ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を模索していて、村上選手はシカゴ・ホワイトソックスへ、岡本選手はトロント・ブルージェイズへの入団が発表されました。日本を代表する長距離打者であるふたりが、同時期にポスティングを利用するというのは非常に珍しく、メジャーの各球団がその動向に注目を集めていました。

村上選手については、前項で述べた通りメジャーが求める「飛ばせる能力」、さらに踏み込めば「若くて飛ばせる能力」を存分に備えています。打球速度、飛距離、打球角度、スイングスピード、いずれも一流で、若くして高い実績を残している点も評価されています。渡米が濃厚という情報が入っていたので、我々も調査を進めていましたし、どの球団も獲得候補としてリストアップしていたはずです。

今季から村上選手が加入するシカゴ・ホワイトソックスの本拠地「ギャランティード・レート・フィールド」(写真/shutterstock)
今季から村上選手が加入するシカゴ・ホワイトソックスの本拠地「ギャランティード・レート・フィールド」(写真/shutterstock)
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ただ、近年繰り返している故障は少し気がかりです。スイング時に身体を痛めるということは、スイングの強さに対して筋力が十分に追いついていない可能性があります。メジャーの162試合を戦い抜くためには、技術だけではなく強度の高いフィジカルが欠かせません。

メジャーでは、速球の質も変化球のキレも日本より一段階上になります。当然、より強いスイングで対抗する必要がありますし、飛距離を伸ばすためには毎日フルスイングを繰り返すことになります。

そのため、これは村上選手に限った話ではありませんが、故障しがちな強打者がメジャーを目指すならば、身体の使い方を改良する、体幹と下半身の強化を進めるなど、総合的なアプローチが必要になるでしょう。当然のことながら、ケガをしないような準備運動(ストレッチ等)もさらに重要になってきます。

村上選手は、素材としては間違いなくトップクラスです。その能力をメジャーで発揮するためには、“ケガをしない身体”を作ることが欠かせないと私は感じています。