メジャーは数字以上に重視するもの
一方の岡本選手は、村上選手とはタイプの異なるバッターです。彼は典型的なパワーヒッターというよりも、バットコントロールに優れた“運ぶタイプ”の長距離砲という印象があります。スイング軌道はブレが少ないため、レベルスイングでボールを正確に捉えることが可能です。
また、引っ張るだけではなく逆方向にも強い打球を打てるので、広いメジャーの球場にも対応できるポテンシャルを秘めています。リストワークも柔らかく、コンパクトに振りながらもしっかり振り切れているので、飛距離が落ちることはありません。この「柔らかいスイングで飛ばせる」タイプは、メジャーでも高く評価される可能性があります。
2025年シーズン開幕直後の岡本選手は非常に調子が良く、開幕以降32試合で4番を務めながら打率3割超という安定した成績を残していました。
しかし、一塁守備中に走者と交錯して左肘を痛め(靭帯損傷)、長期離脱を余儀なくされました。復帰できたのは8月中旬で、シーズンの大半を欠場するという結果になりましたが、それでも69試合の出場で打率3割2分7厘、15本塁打、49打点という高い数字を残しました。
ケガによる長期離脱はネガティブな要素として捉えられることも多いのですが、復帰後にしっかり成績を残している点は大きなプラス材料です。メジャー球団が重視するのは「故障後のパフォーマンスがどれだけ戻っているか」「技術の再現性があるか」という点です。岡本選手の打撃フォームは再現性が高く、無理に振り回すタイプではないため、メジャーのピッチャーに対しても順応できる可能性があります。
最終的に、選手がどのような評価を下されるかは、各球団のニーズや編成方針によって変わってきますが、ひとつ言えるのは、メジャーは数字以上に“伸びしろ”と“ケガへの強さ”を重視するという点です。そして岡本選手は、高い打撃技術でブルージェイズから評価を勝ち取りました。今後の活躍を私も楽しみにしています。
文/大屋博行













