議論の背景にはランドセルの「価格高騰」
増え続ける選択肢のなかで保護者を悩ませる「ラン活」。
リユースショップ「2nd STREET」などを展開するゲオホールディングスの担当者は「ランドセルの取り扱いは極めて少なく、状態のよいものが安価で売られるのは非常に稀なケースだと思います」と話す。
担当者によれば、現在「2nd STREET」は900店舗以上を展開しており、この10~15年で店舗数は右肩上がりで増加。背景には物価高の影響もあるが、2013年以降にメルカリなどが参入したことも大きいという。
「中古のCtoC(個人間取引)のプラットフォームができあがったことで中古品に触れる機会が増え、これまで抵抗を感じていた人も『中古品でも全然いいよね』と考え直すようになった例が増えてきています」
同担当者が話すように、国内のリユース市場は拡大を続けている。環境省の報告書によれば、2023 年におけるリユース市場規模は3 兆1227 億円で、2009 年の1 兆1274 億円から大幅に増加。このほど政府は、2030年に市場規模を24年比で32%拡大させる方針を明らかにしたばかりだ。
そうした背景のもとで起こった今回の“中古ランドセル論争”には、ランドセルの価格高騰も影響している。
「実際に資材費がかなり上がっています」と話すのは、神奈川と東京でランドセル専門店「おりじなるぼっくす」を運営する鈴木茂氏だ。
「私もこのお店を30年近くやっていますが、今までベルトのバックルや自動ロック、ナスカン(フック状の金具)などの部品は昔ながらの金物の工場が作っていました。それがみんなやめてしまって大手が作るようになり、その分価格も上がっています。部品に使われる金も高騰しています」
では、販売店の立場から「中古ランドセル」についてはどう見ているのか。鈴木氏は「生地の耐久性」と「大型化」について次のように指摘する。
「基本的にランドセルに使われる人工皮革の耐久性は8年で設計されています。そうすると、中古のランドセルだと生地の摩耗年数を超えてしまい、スニーカーのように加水分解で内部が傷んできます。友達に引っ張られて部品が破損したりすれば、けがにつながる可能性もあります。
また、この6年でもランドセルは大型化しています。6年前はA4クリアファイルが入る大きさでしたが、今はブックファイル、バインダーが入るサイズですし、マチ幅も広くなっています。
タブレットが導入されましたが、教科書は減っていないし荷物も多い。そう考えると、中古ランドセルでは容量が足りないかもしれません」












