世の中に元気玉を作りたい
塚原 小島さんと僕たちKASASAGIの共同プロジェクトをやらせていただくなら、小島さんの盆栽に恥じないものを作らないといけないと思っています。これまでの資本主義に合わせたプロジェクトは駄目だなと(笑)。
本当に僕らの納得のいくものを作りたいと思っているんですけど、普段のおしごとでお客さんの空間を作らせていただくときは、やはりお客さんの意向を尊重する建築になるんですよね。
たとえば「AかBかCのどれがいいですか」と三択を提示して、Aは僕たちの作りたいもの、Cはお客さんの要望に沿ったもの、Bはその折衷案で、「私どもはAがいいと思います」と提案しても、お客さんは大体Cを要望して、落としどころはBになるというケースが多いんです。
お客さんにはそれで喜んでいただいているし、いろんな人から評価もいただいているんですけど、僕としては、それができた後に心から納得できていない部分、そこばかり目についてしまう。
「日本の手しごとが世界を変える」との信念でKASASAGIを続けてきていますが、自分たちが100%曇りなくこれだ! と言えるものが、今のところまだ作れていないんです。これは宮大工さんとかデザイナーさん、建築家さん、工藝の職人さんに聞いても、皆さん「まだ胸を張ってこれだと言えるものは作れていない」とおっしゃっていて、どんなすごい人たちでも自分の仕事の失敗してしまった部分は、やはり目につくみたいなんです。
だけど、「いつか、何か、本当に納得のいくものを作りたい!」と思いながらやっているなかで、一番それに近しい空間に、小島さんの盆栽を入れられるとすごくいいなと思っています。そうなると、現状では「自分たちで自分たちのつくりたい建物をつくる」自社物件でのプロジェクト、「自分たちで自分たちのつくりたい建物をつくる」プロジェクトだと思っていまして、その際にはぜひ御一緒させていただきたく、タイミングが来たら御相談したいなと思っています。
小島 ありがとうございます。ぜひぜひぜひ。
塚原 今は機が熟すのを待つ時期だと思っています。
小島 タイミング、人の出会い。やっぱり人の出会いが全てだと思いますね。「資本主義に合わせたプロジェクトは駄目」という話が出ましたが、僕も「お金を追いかける」というスタンスは一切とってないんです。
もう切り替わりました。以前はそんなスタンスで、めちゃめちゃ資本主義にまみれていた人生だったと思うんですけど、お金というものを追いかけると、お金はついてこないということに気づいたし、本当に自分がやりたいのか、やりたくないのか、格好良いのか、格好良くないのかというところで決断する。答えはめちゃくちゃシンプルで、そこに向き合い始めてから、人とのつながり方もガラリと変わりました。
事業の方向性を見直さなければならない時期があって、当時持っていたものを全て売り払い、車も時計も金銀も、握りしめていたものを全部手放した当日に、僕のミッションを理解して、支援してくれる仲間が現れた。決断することで新たな出会いが生まれるんですよね。
資本主義にまみれて、「お金お金お金お金」で生きてたら、そういう人間ばっかり集まってくる。そうじゃない、もっともっと次につなげていくんだよ、ネクストのこと考えないといけないんだよ、それこそ「愛でしょう!」みたいなことを本気で言っていれば、そういう人たちが集まってきて、ものすごい力になって元気玉ができると思っています。
日本は今、ちょっと元気がないから、僕は世の中に元気玉を作ることが大事だと思っています。
塚原 元気玉を作るっていいですね。
小島 元気玉作りたいですね。すごく作りたいですね。














