マスメディアの立場でありながら、この自らの制度の欠陥には気づかないのか

災害時にNHK受信料の免除制度を申請する被災者は、これまでNHK受信料をまじめに支払い続けてきた視聴者でもあり、長年NHKを支えてきた国民である。

災害によって家を失い、収入を失い、生活の基盤を失ったとき、本来であればNHKが最も手厚く支えるべき立場の人たちだ。

しかし現実には、申請できなければ免除されない制度によって、多くの被災者が支援からこぼれ落ちている可能性や、被災者となった国民に過度な負担をかけて苦しめている可能性がある。

被災者が弱ったときほど支援にたどり着きにくくなる––申請をベースにした受信料免除制度は、形式上は公平であるように見えるが、実際には情報力、体力、時間のある人ほど有利になる構造を持つ。高齢者、独居者、障害のある人、避難生活中の人ほど不利になる。

NHKは自らが取材をするマスメディアの立場でありながら、この自らの制度の欠陥には気づかないのか。NHK受信料の免除制度は、NHKが受信規約を変更すれば変えられる制度だ。

災害大国と言われる日本の公共放送を名乗るのであれば、被災者の立場に立った現実的な免除制度に改めるべきではないか。NHKが一日も早く国民と向き合って受信料制度を根本から見直すことを、筆者は心から願っている。

文/村上ゆかり