校務員の退職が相次ぎ、教員不足の加速も懸念

すでに、懸念されていた事態も起きている。校務員の退職者が相次いでいるというのだ。

「校務員は『門を開けるだけでいい』と言われても、目の前で子どもが怪我をすれば、対応も求められるのは明らかです。実際、教育次長から『校務員にも安全配慮義務がないとは言えない』という発言が出ています。本来だったら安全配慮義務を負うのは管理職であり、校務員にあるわけがないのです。

校務員の業務内容に子どもの対応は含まれておらず、子どもと接することが得意でない方も多いです。校内の修繕などを黙々と対応してくださる方が多いので、『もし何かあったときに責任を負えないので』と退職を決意される方もおられます。

市教委はすでに来年度の校務員を15名(1月15日時点/2月6日時点では「若干名」)も募集しています」

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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さらに、ただでさえ深刻な状況が続き、「教員不足」の加速も懸念される。

「この問題で『もう高崎では働きたくない』と話す教員はたくさんいます。高崎の問題も含めて群馬県の教育に対するあり方に疑問を感じ、小学校の教員採用試験に合格したにもかかわらず辞退した方もいます。

現場の声も子どもの安全も無視し、トップダウンで物事を決めてしまうやり方に対して、現場では強い不信感が広がっています。いま起きていることは『民主主義の破壊』と言えるのではないでしょうか。

写真はイメージです(写真/PhotoAC)
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正直に言えば、私の予想としては、事業開始後は表面的には何も起こらないとは思っています。なぜなら多くの先生たちが、子どもたちを守るために無理をして動くからです。しかし、学校現場の疲弊はさらに進みます。

これは高崎だけの問題ではありません。こんなやり方が許されてしまったら、首長が何でも決められる前例になってしまいます。その拡大を防ぐために、とにかくこの問題をひとりでも多くの人に知っていただきたいです」

なお、昨年12月24日に行なわれた文科省レクのなかで、「現在検討中の取組を実施する際には、利用する児童の安全を確保し、保護者を含めた関係者が安心できるように運用する必要があると考えており、まずは高崎市教育委員会において適切な体制を検討いただくとともに、群馬県教育委員会にも指導・助言に努めていただきたいと考えています」と文科省から回答があったという。

現場の声を無視し、子どもの安全を軽視した「子育て支援」で幸せになるのは誰なのだろうか。この問題はわれわれに多くの問いを突きつけている。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班