昨夏に突如発表された「7時開門事業」に現場教員らは“寝耳に水”
「昨年7月7日、市は令和8年度から7時開門事業を実施すると発表しました。地元紙などは『小一の壁対策』と好意的に報じましたが、現場の教職員にとっては正直、寝耳に水でした」(全群馬教職員組合の田中委員長、以下同)
市が発表した事業は「校務員が午前7時に校門を開ける」というものだ。しかし、児童の登校時の見守り体制や、トラブル発生時の対応などについて、検討された形跡は「一切なかった」という。
「早朝の子どもの受け入れを強く望んでいる保護者がいることは理解しています。ただ発表された事業には、子どもたちを守るための制度設計がまったくありません。
少なくとも『ニーズ調査』『現場との議論』『制度設計』、そして『人員配置』の4つは必要です。しかし市教委は『これは預かり事業ではなく、開門事業だから制度設計は不要だ』と説明しています」
事業では、7時の開門時に校務員が1人で対応する想定だという。「それで本当に子どもたちの安全が守れるのか」と田中委員長は疑問を投げかける。
「市教委に『教員が早く出勤することを前提にしているのではないか』と問うと、『教員も管理職も7時に来る必要はない』という回答でした。
いっぽうで、トラブル発生時の対応については、『そのとき居合わせた教員が対応する。今もそうしているでしょう』と言うのです」
教員の出勤時間は午前8時15分だが、実際にはもっと早く出勤している職員も少なくない。
「特に低学年では朝、学校で泣いたりする子もいて、教員が対応しています。もちろん勤務時間外に自主的に行なっているものです。それを市教委は『今もやっているのだから、勤務時間が少し延びるだけ』と捉えています。
しかし、それは法的には許されないことです。そういうことを続けてきた結果が現在の学校現場の疲弊につながっています」
背景には、「給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)」の脱法的な運用が常態化している問題があるという。
「給特法は『教員には時間外勤務を命じることができない』という法律です。本来は教員の長時間労働を防ぐための法律ですが、実際には仕事は山ほどあり、教員の長時間労働が当たり前になっています。
7時開門が始まり、教員の出勤前にトラブルが起これば、その対応は教員が担うため仕事が増えるのは明らかです。しかし、そうした点に関する議論がないまま事業が進められています」













