この「君子豹変」には党内からも恨み節が
念頭にあったのは小泉氏の「郵政解散」や、2017年の安倍晋三総理による「国難突破解散」だ。いずれも電撃的な解散で準備不足の野党の裏をかき、大勝利を収めて政権基盤を固めた成功体験だ。
「解散をするなら、絶対に自民単独で過半数を取る」
これは昨年末、高市総理が周囲にこぼした本音だ。ただ、この「君子豹変」には党内からも恨み節が出ている。
総裁選で勝利の立役者となった麻生太郎副総裁にさえ、事前相談はなかったとされる。麻生氏の義弟である鈴木幹事長にいたっては、地元・盛岡市での会見で「新聞報道で知りました」と暴露した。党の選挙を仕切る幹事長が報道で知るというのは前代未聞だ。
温厚な鈴木氏も、読売新聞が1月9日に「解散検討」をスクープした当日は、「読売のために解散などするはずがないだろう」と激昂したという。
秘密裏に進めたことで党内の不信感を募らせ、準備期間を16日間に短縮された地方自治体の選挙管理委員会も悲鳴を上げている。ある市町村の選管職員は「限界だ。事務作業で死人が出てもおかしくない」と漏らす。しかし、そんな不信感を吹き飛ばすほど、与党を震撼させる出来事が起こった。
水面下で交渉は始まっていた「新党合流」
立憲民主党と公明党による「新党合流」だ。
1月14日夜、朝日新聞デジタルが報じた。立憲(148議席)と公明(24議席)が合流し、連合と創価学会という巨大組織が背後で手を組む。創価学会幹部は「高市包囲網だ。奇襲には奇襲でお返しする。衆院から撤退してでも高市を引きずり下ろしたい」と息巻く。
立憲の野田佳彦代表は15日の党会合で、「『高市総理に一泡吹かせたい』という公明側の思いの強さを感じた」と明かした。公明の斉藤鉄夫代表は「そんな話は一切していない」と否定するが、野田氏は確信を持って語っている。
公明が自民との連立を離脱した昨年10月以降、水面下で交渉は始まっていた。立憲の「脱原発」や「安保法制の違憲部分廃止」といった主張が壁となっていたが、高市氏の奇襲解散が両者を急接近させた。1月9日の報道からわずか3日後の12日には野田・斉藤両氏が会談し、合流の構想が固まったという。
これに自民党は震え上がった。全国の小選挙区で1万〜2万票とされる公明・創価学会票が立憲の候補に乗れば、最大で4万票差が縮まる。













