高市総理はなぜ「冒頭解散」に打って出たのか
「国会冒頭解散はなくなった」
昨年まで永田町ではおおかたそう見られていたが、それは完全な読み違えだった。高市総理はなぜ「冒頭解散」に打って出たのか。
昨年11月、自民党の情勢調査が官邸に伝わった。「自民単独で260議席以上」。この数字に総理周辺は沸き立った。
「解散するなら今しかない」
当時の衆院は、自民に維新、無所属議員3人を加えてかろうじて過半数。参院では5議席足りない少数与党だった。高市総理の高支持率だけが頼りの、極めて不安定な状態だ。
12月に入ると、維新には議員定数削減法案を巡り「連立離脱」を突きつけられ、年末の与党税制大綱では国民民主党の「年収の壁」に大幅譲歩して、どうにかまとめ上げた。
一件落着に見えたが、高市総理の内心は違ったようだ。自分たちの力だけでは法案一つ通せない。その「厳しい現実」を前に、ごく少数の側近と水面下で「冒頭解散」の検討を始めた。
幻となった「2月1日投開票」案
その中で検討されたのが、幻となった「2月1日投開票」案だ。関係者は以下のように明かす。1月5日の年頭会見で解散を表明すれば、野党は準備が整わない。そのまま16日に国会を召集して冒頭解散すれば、2月1日の投開票が可能になる。
解散表明から投開票まで1カ月近い猶予があれば、自治体の準備も間に合い、予算の年度内成立への実害も最小限に抑えられるはずだった。
しかし、昨年12月25日に通常国会の召集日を「1月23日」と方針固めしたことで、永田町には「冒頭解散は立ち消えた」という空気が広がった。23日召集では予算の年度内成立が物理的に厳しくなり、暫定予算の編成も必要になるからだ。
なぜ、それでも「冒頭」なのか。
150日間という長丁場の通常国会では、閣僚の不祥事や失言、野党の追及によって支持率が削られるリスクが高い。国民民主党も「曖昧戦略」をとり、連立入りには首を縦に振らない。さらには中国によるレアアースの輸出規制など、対日圧力も強まっている。
年末年始の数日間、高市総理の頭の中に、一度は見送ったはずの「冒頭解散」が復活した。













