身近な人たちが政治に関わりやすい環境を
かつては「悪名は無名に勝る」と言われた時代もあった。
「父の時代は『悪名は無名に勝る』と。週刊誌に書かれること、叩かれることは有名税で、そこを通らないと一人前になれない、みたいな。今でも慰めの言葉として『それだけ注目されてるんだよ』って声をかけてくださる先生もいますけどね」
しかし、それでは若い人や女性、普通の感覚を持った人が政治に参画できない。
「もっと生活感のある、自分の感覚に近い、隣にいそうな人、ママ友・パパ友に政治家になってもらいたいのであれば、そういう人たちが政治に関わりやすい環境を作らなければいけない。
選挙にしても、初回は出馬できても、やはり誹謗や中傷に疲れてしまい、続けていけない人たちがいる。それがすごく残念で、悔しいんです」
特に、事実と異なることを拡散されることには断固として向き合う。
「バカだとか間抜けだとか言われるのはまだ可愛い。人間だからバカなところも間抜けなところもある。でも、やっていないことをあたかもやったかのように、言っていないことを言ったかのように投稿されること。私が一番反応するのは、そういう虚実に対してなんです」
父が経験してきた虚像との戦いを最も近くで見てきたからこそ、娘は事実を伝えることにこだわる。
「私は父の姿を見てきているからこそ、多分誰よりも簡単にスルーできない。一部の報道で私は『愛人の子』とまで書かれたことがありますから。父に言わせると私の性格は母そっくりと言われ、『DNA鑑定不要な親子』って言われるぐらい父に顔が似すぎている私が、ですよ」
そのとき娘の瞳には、まさしく父譲りの闘志の炎が見えた。『金魚のフン』と呼ばれていたシャイな女の子はもうそこにはいない。凛とした表情で澱みなく言葉を紡ぎ出す彼女からは強い誇りを感じた。
後編では、そのブレないメンタルの強さの源泉、そして女性政治家・働く母としての思いを聞く。
取材・文/木原みぎわ 撮影/齋藤周造













