フルーツが高値になりやすい日本ならではの理由

今回の「ベリーツ」のようにあえて高値で売り出すことで、産地にとってはこんなメリットがあると福田氏は言う。

「高級品はあくまで選別された果実の一部で、我々が手に取る一般市場には日常使いのものが出回ります。とある高級フルーツが話題になれば、同じ産地の同じ果物についても、『日常使いのものも十分うまいだろう』と、一般消費者からのイメージはポジティブなものに変わり、その産地の果物全体が高値に向かって推移するんです。

売る側(産地)にとってはこの仕組みが重要で、だからこそブランディングや他産地との差別化を図るために高値で売り出すことがよくあるのです」

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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また、そもそも果物自体が高級品として成立しやすい背景もあると言う。

「日本において果物は、食生活にプラスαを与えるようなもので、食卓に必須のものだという意識はあまりないかと思います。果物の多くは生で食べることが前提であるため、購入してから食べるまでに出来上がる食感がかなり重要です。消費者に届いた段階でやわらかく可食の状態になっている、さらにその後の日持ちもしないので、そもそも果物はプレミアムなものなんです。

さらに日本には独特の贈答文化があり、訪問時やお見舞い時に、季節の贈答品として何を贈るかが重要になってきます。そして、それはその人のセンスや財力の判断材料になります。この際、日常的によく食べるものが贈答に使われることはなく、普通は少しリッチなものを贈りますよね。

写真はイメージです(PhotoAC)
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そういった背景もあり、果物はお中元やお歳暮などの重要なタイミングで“いい贈り物”として重宝されるんです。贈答品となれば、生産できる季節が限られたフルーツの中でも、選別された果実が多いですので当然高価格になるわけです」