ママ友マウンティングの影響は子どもにも
仕切りたがりのボスママには、他の保護者も手を焼いているようだが、それでも誰も何も言わず「下手にでています」と斎藤さんは言う。
「結局、それが楽なんです。ママ友って子どもを介した関係なので、友達というよりは職場の人に近い。だから、できるだけ目立たず、ボスに気に入られなくても嫌われない立ち位置でいることが必要だな、と思います。
なかには本当に“支え合えるママ友”になれるパターンもあるけど、少ないんじゃないかなぁ…」
そんなママ友マウンティングに対して、斎藤さんが一番懸念していること。それは子どもへの矢印だ。
「以前、ボスママに無意識でマウントを取ってしまったママ友がいたんですが、そのママはそれ以降、ご飯会にも呼ばれず、ボスママの子どもの誕生日会にも親子揃って呼ばれなかった。子ども同士は仲良かったのに、親の空気感を感じたのか、いつのまにかその子は違うグループの子たちと仲良くするようになってました。
母親がママ友グループから除外される分にはまだいいけど、子どもの交友関係にまで影響が出るかもしれない…そう考えると恐いですよね。なので子どもへのプレゼント選びは結構神経を使います」
斎藤さんはそう言いながらため息を漏らすと続けて先々の不安を吐露した。
「クリスマスプレゼントのマウントはまだ一時期のことなのでいいのですが、これから小学校受験、中学校受験、高校…。環境が変わっても、マウントをとりたがりのママはきっとどこにでも存在しますよね。
ランドセルひとつとっても、どこのブランドのものだとか色がどうのとか。制服のある学校ならいいですけど、私服の学校だと子どもの服一つでケチつけてきそう。一生つきまとってくるんだろうなぁと想像するだけで胃が痛くなりますね…」
クリスマスプレゼントは、子どもの喜ぶものを贈りたい――と思うのが親心というもの。しかし、ママ友地獄の中ではその想いよりもボスママの地雷を踏まないようにと神経をすり減らす。ママがサンタに願うこと、それは「ママ友との穏便な関係」ということかもしれない。
取材・文/吉沢さりぃ













