兄から「どうして公表したの?」と連絡
──術後の経過はいかがでしたか?
めっちゃ痛いとかではなく、生理痛くらいでした。ただ、患部のかさぶたが取れたときに出血するとは聞いていて。一応ナプキンをしていたのですが、2〜3日後ですかね。
朝起きたら生理のときにも見たことがないくらい、出血でナプキンがパンパンになっていて。すぐに婦人科の先生や兄に相談したところ、「それくらいなら大丈夫」とのことでした。
ところが次の日の夜中、目を覚ましたらおねしょをしたのかと思うくらいベッドシーツが(血で)ビショビショに。パンツもズボンもビショビショで、着替えを探している間に貧血で倒れてしまうくらいでした。
朝、父に迎えにきてもらい病院へ行ったのですが、お腹の中に血の塊が150gくらいあったそう。それを器具でかき出してもらいました。
かさぶたが剥がれた患部をもう一度焼いてもらい、次の日には血だらけの数日間がやっと終わり、普通の生活に戻ることができました。
──壮絶な経験でしたね。インスタグラムでご病気のことを公表されましたが、どんなリアクションが届きましたか?
私のフォロワーさんは男性が多いのですが、「検診に行こうと思いました」とコメントをくださる女性も。
同じ経験をされた方から「不安だったけど勇気をもらいました」とか、「高度異形成の手術を受けましたが、もう3人の子供を産みました」というメッセージもありました。元気なお子さんを産んでいらっしゃる方の言葉に、逆に私が勇気づけられましたね。
ただ、中には心無いコメントもあり私自身も心が痛みましたが、同じ病気と向き合っている方の目に触れさせたくないなと、そうしたコメントは非表示にする選択をしました。
また、投稿を見た兄からも「どうして公表したの?」と連絡がありました。兄は医療従事者として子宮頸がんについて正しく理解していましたが、世の中にはいまだに多くの誤解があり、そうした偏った見方によって私が傷つくのではないかと心配してくれていたのです。
私自身も、公表するまでには何度も迷いました。それでも、子宮頸がんは特別な人だけがかかる病気ではなく、女性であれば誰にでも起こりうるリスクがある病気です。
もし私が声を上げることで、同じ思いをする女性が少しでも減ってくれれば、偏見の目を向けられるかもしれないという不安よりも、その意味のほうが大きいと感じました。
──ちなみに現在、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウィルスの感染を予防できるHPVワクチンの接種は、世界的に男性にも推奨する流れになっています。女性へウイルスを感染させることを防いだり、肛門がんなど男性自身のがんも予防できたりするからです。そして20歳以上の女性の場合、多くの自治体で子宮頚がん検診の補助を受けられます。早期に発見できれば治すことができる病気だという明るい側面もありますね。
私も今回、子宮頸部高度異形成を経験してからは検診の大切さを痛感しました。もちろん子宮頸がんのことは情報として耳に入っていたけれど、まったく自覚症状がなかったですし、自分は健康だから大丈夫だろうという過信があったと思います。
婦人科系の検診は肉体的にも心理的にもハードルが高いですし、若いうちは面倒くさいと後回しにしてしまいがち。でも手遅れになる前に、健康のことに関してはちゃんと向き合ってほしいなと思います。私のような辛い思いをする人が、ひとりでも少なくなったら嬉しいです。
取材・文/松山梢
撮影/石田壮一













