年末年始はさんだ短期選挙、メリットは…

立憲民主系の小川氏に対し自民党は対立候補擁立を急ぐが、ここで群馬特有の事情が絡んでくる。

「群馬の自民党は故福⽥赳夫元⾸相と故中曽根康弘元⾸相の流れをくむグループにわかれ、ずーっと分裂状態でまとまらないんです。

去年2月の市長選も、3期を務めた福田系の市⻑が4期⽬を狙って出⾺しましたが、対立する中曽根系のグループは小川市長側につく現象が起きました。今回はさすがに小川氏に中曽根系がつくことはないでしょうけど、自民の(候補)一本化は簡単にはできないでしょう」(連合群馬の関係者)

前橋市では、表に出ていない世論調査 で4割が小川市長の続投を支持するとの結果になり、それを知った小川市長や側近らが「これだけ支持があるなら勝てる」と判断したとの噂が飛び交っている。

自民帝国の候補を破った小川市長だが…(本人SNSより)
自民帝国の候補を破った小川市長だが…(本人SNSより)

出直し選は失職を受けた正月明けになる、と思わせたところで“奇襲”をかけるように辞職し、年の瀬選挙に突っ込めば、小川市長はいっそう有利になる。

「不信任で前市長が失職すれば出直し選当選者の任期は4年のフルですが、辞職に伴う出直し選での当選者は前任市長の残り任期を埋めるだけです。

だから本当なら新たに4年をリセットできる失職に伴う出直し選の方が市民の財政負担も少なく、新市長には有利になりますが、小川市長はそのメリットを捨ててまで早期選挙を行い、有利な戦いにしたいのでしょう」(前出の自民党関係者)

学歴詐称疑惑で有名になり、“不祥事首長”として小川市長と並び称される静岡県伊東市の田久保眞紀前市長(55)は、市議会の不信任に議会解散で対抗した。

そして出直し市議選後の次の市議会からも不信任を受けて、ついに失職。それでも12月14日の出直し市長選に出る準備をしており、候補者の乱立によりこちらも情勢は混とんとしている。

前橋市と伊東市。戦略は違うものの2人のお騒がせ市長がともに復活を狙う12月は、選挙が熱くなりそうだ。

前橋市役所(撮影/集英社オンライン)
前橋市役所(撮影/集英社オンライン)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班