田久保市長が応援にかけつけたのは…
がけっぷちに追い詰められても田久保市長は意気軒高だ。選挙戦初日の12日午前11時前、JR伊東駅前で仲間が行なった第一声演説に赤いマイカーで応援に乗り込んだ。
「メディアのアンケートには立候補者30人中26人が選挙後に市長の不信任決議案に賛成すると答えました。残る4人は田久保市長に近い立場とみられ、うち2人は回答せず、1人は未定、1人だけが反対と明言しました。
賛成と答えた中にも当選後に態度を変える可能性がある“ステルス田久保派”と噂される候補もいますが、いずれにしても田久保派が7人当選できる可能性は低いとみられています」(地元記者)
アンケートで唯一不信任に「反対」と答えた無所属の新人、片桐基至候補(44)は田久保市長が応援に駆けつけた相手だ。元航空自衛官で新潟県阿賀野市議を1期務めたことがある。市長とは以前からメガソーラー反対運動などで行動をともにしてきた。
マイクを握った田久保市長は、9月定例議会初日に不信任が議決され議案審議ができなくなったとし、「そこで私は考えました。皆さんと約束した改革の火を消さずに前進させるには市議会にも新しい波が必要だと。新しい人材が入って新しい街を作っていく。それが必要だと思って議会を解散しました」と解散の正当性を強調した。
そして「私への賛否。これはほかのところでまた問われることがあるでしょう。その時には皆さんの信を問います」と話し、失職を覚悟していることと出直し市長選に再出馬することを示唆。
「たった1人自分の考えを貫くってほんとに大変なことです。でもやらなきゃいけない。今の世の中に求められてるのはそういう人です」とも力説し、30人中ただひとり田久保市長を支持する片桐氏と、議会から全会一致で不信任された自身の身の上を重ねてみせた。