「やっぱり良い候補の方に出ていただきたいですよね」
――市議選をはじめ伊東市には、さまざまな注目が集まっています。先日は選挙権を持たない地元の高校生が伊東市の未来について考えた提言書を田久保市長に渡していました。それについてどう思われましたか?
田久保眞紀市長(以下、同) まず政治に関心を持ってくれるというのは非常に嬉しいことだと思います。せっかく興味を持ってくれたのであれば、本当にリアルな形の議会を開いて私や職員にヒアリングしたり、予算の枠で何ができるのか、議会に来る子どもたちを選挙で選んでもらったりとか、それぐらいリアルにできたらいいなと思います。
あれをやりたい、これも必要ですというのはご要望としては本当によくわかるのですが、それを実現するためには何が必要かなどを感じてもらえたらいいなって思いました。
――学歴詐称疑惑の問題で停滞・混乱している市政に対し「このままでいいのか」と提言書を渡されたということだったようですが、そのことについてはどのように思いますか?
たしかに通常とは(市政が)違うペースで進んでいるのはそうかもしれません。しかし、よく停滞という言葉が出てきますが、具体的にどの部分が停滞しているかということは意外となくて、「全体的に停滞」ということになっています。
行政の職員もやらなきゃいけない課題が本当に山のようにあるのですが、解決するためにいろいろ考えて動いて私の方に報告もあがってきます。停滞とひと言で言うのは簡単ですが、そこは逆に具体的に話をした方がいいかと思います。
例えば、商店街がシャッター通りになってしまっているなどの経済の停滞なのか、人事の面で停滞していると思ったのか、など個別に話し、そのことによってどういう影響が出て、どういう解決方法があるかまでの「サイクル」で話せるといいなとは思います。
大型商業施設がほしいなど提言はたくさんしていただきました。せっかく意見をいただいたので、どういう仕組みで行政が動いたり、職員がどういう仕事をしているのかというところまで掘り下げられるといいなと思いました。
――市議選の告示が終わり、投開票まであとわずかですが、現在どのような心境でしょうか?
各候補者のみなさん意志をもって手をあげていただいてますから、全力でやれるところまでやっていただく。市民のみなさんがいつもより関心を持っていただいているとしたらそれはチャンスですから、真剣に自分たちの代表に誰を選ぼうかと考えていただいて1人でも多くの人に投票に行っていただきたいです。
私もやっていたのでわかりますが、市議会で誰を選ぶべきなのかと興味を持っていただくのはなかなか難しいです。市議会議員さんは、本当は自分たちの生活に一番近い身近な存在なのですが、どんな仕事をしているのかというのがなかなか知られることがなかったり関心が低かったりという部分があります。
だから今までよりも深く考えていただく機会になるならそれは意味のあることだと思っています。
――田久保派の方が7名当選して、不信任案を回避するというのは現実的だと思いますか?
現実的か現実的でないかというよりも、やっぱり良い候補の方に出ていただきたいですよね。私に対する賛否ではなく、今後の伊東の町を良くしていくために「こういう政策を出していくんだ」というような良い候補者の方にたくさん出ていただくことが大事だと思います。
――市長を支持している候補者で把握しているのは片桐氏だけですか?
もちろん(他の候補者とも)話をしないわけではないですから。ただ、支持している支持していない、じゃないんだと思う。時代が変わったというか、支持する支持しないで決めるというよりはそこは是々非々じゃないですか。
ひとつ言うならば私は改革を進める立場ですから。田久保派、反田久保派ではなく、改革派としてやっていきたいと思う人たちと、時計の針をもとに戻して変わりたくない人たち、報道のかたにもできればそういう区分けをしていただけると。
――改革していきたいという部分で共鳴する候補者はいるということですか?
立場や考え方は違えど、目指すところは一緒っていう方ももちろんいらっしゃると思いますね。だから私派、私じゃない派かっていう切り取りだけになってしまうと、ちょっと本題から逸れてしまっているんじゃないかって思います。