6歳で一家離散
東北生まれ、東北育ちの佐伯さんの両親は、中学校の同級生同士だった。高校卒業後の同窓会で父親が母親のことを気に入り、交際に発展。23歳で結婚し、25歳の時に佐伯さんが生まれた。
父親はプロパンガスの配送員、母親はデパートの販売員だった。
「父は亭主関白気質。友人は多く、パチンコが好きでした。家族で出かけた思い出は、パチンコ屋さんのベンチで妹と2人、ジュースを飲んでいたことが鮮明に残っています。父は家では寝てばかりいました。母は、自分ではおとなしい性格と言っていましたが、私たち子どもにはよく怒る人でした。おもちゃを片付けないと、『片付けないなら捨てるよ!』と言って本当にゴミ袋に入れられましたし、『早く寝ないと怖いおじさんが来るよ!』と言ってよく脅かされました」
結婚後は専業主婦になった母親だったが、佐伯さんの誕生から2年後に妹が生まれてからは、化粧品の訪問販売を始めた。
やがて佐伯さんが小学校に上がって間もない5月。両親が離婚し、佐伯さんは父親とともに父親の実家で暮らすことになり、母親と妹は母親の実家で暮らすことになった。
「離婚の原因は、母が友人の借金の保証人になってしまったことと、化粧品の訪問販売の仕事で、化粧品を一括購入したため、全部で400万円の借金があることがわかったからでした。借金のほとんどは父方の祖父が返済したようですが、その条件が、『今後一切、息子(佐伯さんの父)や美幸(佐伯さん)とは関わらないこと』だったため、その後私は何度も妹に手紙を出したのですが、返事をもらったことはなく、寂しい思いをしました。私が中3の時に妹と再会できたのですが、その時に、妹からの返事を父方の祖母が隠していたことが分かりました」













