維新共同代表に浮上した「政治とカネ」の問題

「赤旗日曜版」の報道によれば、藤田氏側は2017年6月から2024年11月にかけて、〈ビラ印刷費〉などの名目で、自身の公設第一秘書が代表を務める会社に約2100万円を支払っていたという。

さらに、その会社から公設秘書に、年間720万円の報酬が支払われていた。同紙は、藤田氏による「公設秘書への税金還流」の疑いを指摘している。

これに対して、藤田氏は10月30日のXで、〈悪意のある税金環流のような恣意的な記事です〉と反論。その上で、〈すべて実態のある正当な取引であり、専門家にも相談の上で適法に行なっているもの〉と主張した。

ただ、藤田氏は反論とあわせて、X上で、取材を担当した「赤旗」の記者の名刺も公開。記者を“攻撃”するような、あまりに感情的な振る舞いに、「いまや与党なのだから、メディア対応に品格が求められるはず。やられたらやりかえすという“維新ノリ”は慎むべきだ」(自民党関係者)といった批判もあがる。

藤田氏が10月30日に、Xにあげた投稿(本人Xより)
藤田氏が10月30日に、Xにあげた投稿(本人Xより)
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そして、維新共同代表に浮上した「政治とカネ」の問題に、あの男が黙っていなかった。

〈このような公金扱いを続ける維新の改革の声に国民は応えないだろう。なぜ藤田氏側の会社を通す必要があるのか〉

〈これは政治家がよくやりがちな選挙を利用した公金着服のビジネスモデルの疑いあり。(中略)徹底解明が必要だ〉

10月31日に自身のXで、藤田氏を厳しく追及したのは、維新創業者の橋下徹氏(56)である。維新創業者と、現在の事実上のトップの“大モメ”。その背景には、橋下氏と維新国会議員団が長らく抱えてきた、確執が存在している。

橋下氏がXに投稿した内容(本人Xより)
橋下氏がXに投稿した内容(本人Xより)

藤田氏は筑波大体育専門学群(体育学部)卒業後、高校の保健体育科講師などを経て、スポーツジムや整骨院を運営する「KTAJ」を起業。会社名は、藤田氏の座右の銘である「敬天愛人」(天を敬い、人を愛すること)からとっているという。

同社ホームページで藤田氏は、参政党の神谷宗幣代表(48)も師事する東洋思想家の林英臣氏を、“人生の師”と仰ぎ、経営理念を学んだと説明している。

2012年に「維新政治塾」1期生として入塾。2019年の衆院選に、大阪12区から出馬し、初当選した。その後、2021年に当選2回ながら、維新の幹事長に抜擢されたのだった。