個人情報まで監視されていた!? ありえないほど“おせっかい”な上司に怒り
最後に話を聞いたのは、現在経理職に従事しているというアキホさん(仮名・27歳)だ。アキホさんは前職で勤めていた会社を人間関係によるトラブルで退職したという。退職したきっかけには、オフィスのデスク配置も大きく関係していたと話す。
「私の隣には40代の男性上司がいたのですが、その上司はいちいち私のすることに口をはさんでくるタイプで、常に監視されているような感じだったんです。ある日、私のPCのパスワードに関して、『そろそろ変えた方がいいんじゃない?』と言われ、なんで私がパスワードを変えていないことを知っているんだろう……と、ゾッとした覚えがあります。
横目でひそかにパスワードを盗み見られていたんだと思うと、かなりキモさを感じました(笑)」(アキホさん)
アキホさんは日々隣の上司から“監視圧”を感じて疲弊していたようだ。上司はアキホさんの仕事のやり方に対して、嫌味っぽく注意することもあったそうだ。
「私がまだ入社して半年くらいの時、少々複雑なタスクを、自分のメモを見ながら行なっていたところ、隣の上司から『それ、メモ見ないとできないの?』と突然言われたんです。私の仕事のやり方なんて私の勝手だし、ミスするほうが重大なので間違えないように工夫することに、なんで嫌みを言われなきゃいけないんだって感じでした(苦笑)。
こんな感じで、いちいち隣でその上司に監視されていることがストレスでした。仕切りがあったり、個室であったりすれば、こういった人の目を気にせず、のびのび自分のやり方で仕事できて、むしろ効率よくなると思うんですが……」(アキホさん)
そして退職の決定打となったのが、斜め向かいに座っていた50代後半の“お局”女性だったそう。
「モニターがある前方や横は、基本的に誰かと視線が合うことはないのですが、斜め向かいだと遮るものがないので、斜めにいる人の視線が気になって仕方ありませんでした。特に私の嫌いな先輩の女性が斜め向かいの席だったこともあり、毎日デスクに座るたびに嫌いな人と顔を合わせなきゃいけないことがかなり苦痛でした。
私は少しずつイスを横にずらして、なるべくその先輩が見えない位置まで移動していたんですけど、ある日、その先輩が私の方向に向かって自分のモニターをグイっと移動させたんです!
おそらく私が視界に入らないように、向こうも対抗してきたんじゃないでしょうか。大人げないなと思いつつも、嫌いな人の顔が見えなくなって、こちらとしてもありがたかったです(笑)」(アキホさん)
――上司からセクハラを受けたり、誰かからの視線を感じたり、ひそかに監視されていたりなど、仕切りがなくプライベートな空間ではないからこそのストレスや気持ち悪さを感じているZ世代が多いようだった。
今回取材した3名に、働きたいと思うオフィスについて聞いたところ、出勤するたび自由に席を選べるタイプの“フリーアドレス型”がいちばん人気だった。全世代がストレスなく働けるデスク配置は、会社全体の業務効率をよくすることや、退職者を減らすことにもつながるのかもしれない。
取材・文/瑠璃光丸凪(A4studio)













