「キレ中さんの巻」(ジャンプ・コミックス第196巻収録)
今回は、キレやすい中高年男性代表として、両さんと大原部長がメンタルクリニックを受診することになるお話をお届けする。
さて、今回の題材は、本当に目にすることが増えたような気がする「キレるオッサン&ジイさん」だ。これは男性に限らず女性でも多く見受けられる。未成熟な若者よりも、誰よりも常識、良識を備えている「はず」の中高年は、社会の至るところでキレ散らかしている。
しかも、キレる対象やキレ方はというと、かなり周囲がドン引き&呆れるようなケースも多いのではないだろうか。接客業従事者や若い女性を相手にしての高圧的な言動、無理難題を押しつけてのキレっぷりを目の当たりにして、思わず「このジジィ……(怒)」となった経験は、誰しも一度や二度はあるのでは?
その原因は、さまざまなところでさんざん語られてはいるが、身体能力や判断力の低下、社会的ポジションの変化に伴う周囲との関係性の変化などが挙げられる。
かつては楽勝でできたことができなくなる、意のままにならないことに対して我慢ができなくなる、以前なら尊重、優先、許容されてきた主張や行動が通らなくなる。
いずれは誰もが通る道なのだが、簡単に解消したり納得したりできるたりするものではないので、なかなか難しい。社会全体での取り組みが不可欠だろう。
ただし、キレる人のせいで迷惑を被り、心身に危害を被る者がいることにも注目する必要がある。キレる高齢者へのケア以上に、それによって迷惑を被った人へのケア、そして何よりも組織的、社会的な防止策が必要だ。
ちなみに2015年、つまりひと昔前に描かれた本作中の「中年キレ度テスト」だが、現代の目で見るとかなりマイルドに映る。Q7の「買い物でレジが混んでるので全部元に戻し、帰った事がある」なんて、他者に迷惑をかけていないので、まったく問題がない。
いまどきのキレる困ったちゃんな高齢者だったら、レジ係に早くしろと文句を言う、順番を抜かそうとするくらいの行為は序の口だ。まぁ、そんなことで時代の移り変わりを意識したくはないが……。
それでは次のページから、キレ中ふたりのクリニック受診による変わりっぷり? をお楽しみください!!



















