前作『あんぱん』との大きな違い
通算113作目となる『ばけばけ』がついに幕を開けた。主演は髙石あかり、相手役はイングランドの俳優トミー・バストウという新鮮な顔合わせだ。
物語は、島根県松江の没落士族の娘・小泉セツと、外国人の夫・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本を舞台とする。大きな時代のうねりに翻弄されながらも、埋もれていった人々の姿を丁寧にすくい上げる。「怪談」を愛し、外国人の夫とともに何気ない日常を歩んでいく夫婦の物語だ。
小泉セツをモデルにしたヒロイン・松野トキを髙石が、小泉八雲をモデルにしたトキの夫・レフカダ・ヘブンをトミーが演じる。
第1話は、夜中にトキがヘブンに怪談話を語るシーンから始まった。阿佐ヶ谷姉妹の二人が声をあてる“蛇”と“蛙”のキャラクターが夫婦のおのろけを軽妙に実況。ヘブンがトキに口づけをしようと顔を近づける場面では、「ちょっと朝よ! 夜だけど朝なのよ!」とメタ視点のツッコミが入り、ドラマのテイストが明るく楽しいものになっていくことを予感させた。
続いて始まったオープニングでは、トキとヘブンの仲睦まじいスナップ写真が次々とスライド形式で映し出された。主題歌を担当するのは、佐野遊穂と佐藤良成によるデュオ「ハンバート ハンバート」。ゆったりと落ち着いたテンポと、柔らかい男女の歌声が、夫婦の穏やかな空気感に重なり合い、印象的な仕上がりを見せた。
特に、前作『あんぱん』とのギャップが際立つ。RADWIMPSによる主題歌「賜物」は、スピーディーなメロディーラインと早口の歌詞、CGを多用した華やかな映像演出で「朝ドラらしからぬ」と話題をさらった。
その直後の作品である『ばけばけ』が見せたのは、まるで原点回帰のような“ザ・朝ドラ”を思わせるオープニング。SNS上では絶賛の声が広がった。
「OPがあんぱんと上手く対を成してる! シンプルで多幸感がパネェ!」
「「ばけばけ」OPは「あんぱん」とある意味対極的ですね、とても穏やかで山陰の穏やかさを表してるかのよう、とても好きになりました」
「主題歌も写真のオープニング映像も全く違和感なく、朝ドラらしい雰囲気で良い」
「おむすびあんぱんとアイドルプロモビデオみたいなのが続いたから新鮮なオープニングだった」