購入条件をしっかりチェック

関口氏の発言にもあったように、アライは誰でも自由に買える薬ではない。サプリメントのように気軽に購入できる商品ではなく、医薬品という側面があるため、正しく使わなければ思わぬ副作用が出る可能性がある。

そのため利用できる人の条件が定められ、必ず薬剤師と相談しながら購入する仕組みになっている。裏を返せば、それだけ安全性と適正使用を重視した薬だということでもある。

対象となるのは18歳以上で、腹囲が男性85cm以上・女性90cm以上、かつ食事や運動など生活習慣病対策に取り組んでいる人。ただし、BMIが35を超える高度肥満や、BMIが25以上で糖尿病や高血圧などの生活習慣病を合併している場合は対象外だ。

写真はイメージです 写真/Shutterstock
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また販売は「要指導医薬品」に区分されているため、薬剤師が常駐する店舗でしか取り扱われていない。実際の購入では、薬剤師に相談し、質問票に答え、生活習慣の記録を提示することになる。

ただし必要なのは直近1か月分の記録で、週1回、最低4回分を記してあれば十分だ。準備が整っていなくても、その場で書き込めば販売できるケースもあるため、想像以上にハードルは高くないと言える。

アライは「飲めば痩せる魔法の薬」ではなく、生活習慣を見直し、改善を後押しするサポート薬だ。関口氏の体験が示すように、日々の食事や行動と向き合うきっかけとして、アライは確かな役割を果たすだろう。

もし「お腹まわりが気になる」「生活習慣を変えたい」と感じているなら、まずは薬局で薬剤師に相談してみてほしい。

取材・文/毛内達大

撮影/石田壮一