大屋根リング、ネット予約、並ばない…大阪・関西万博をズバリ総括  

会期中、あらゆるパビリオンを巡った山田さん。最も印象に残ったパビリオンは、「国連館」と「国際赤十字・赤新月運動館」の2つだったというが、その理由を聞いてみると、

「『国連館』は“人類は団結したとき最も強くなる”、『国際赤十字・赤新月運動館』は“人間を救うのは、人間だ”というそれぞれに強いメッセージ性を感じました。もう一度、人間らしい生活とは何かに立ち返ることが必要だと思いました」

と熱く語ってくれた。そのうえで、今回の万博の特徴について気付いた点も。

「今回は『あなたの願い』を書かせたパビリオンが非常に多かったです。先行き不透明な世の中だからこそ、少しでも先の未来を見ていこうということなのでしょう。夜のドローンショーも含め、会場内で一体感を感じさせる演出も多かったと思います」

と、分析した。開幕前は、メタンガス爆発や海外パビリオンの建設遅れなどネガティブな情報が渦巻いたが、開幕後はSNSの口コミを中心に注目度があがり、みごと大盛況となった大阪・関西万博。改めて山田さんに「総括」を伺うと、

「『並ばない万博』って言ってましたけど、結局『並ぶ万博』でした。予約が取れないと嘆くより、並んででも入れる安心感が勝ったのでしょう。ただパビリオンに入っても予約を取るため、ずっとスマホをいじっている人が多かったのは、もったいないなと感じました」

と、振り返った。今回はパビリオンの予約だけでなく、会場の案内地図も含め、全てアプリに集約された“スマホ万博”ともいわれたが、

「結局『リアルに勝るものはなし』ということが分かった万博だったと思います。地図も紙に印刷して持参する人が多かったですし。会場で本物に触れたり、現地の人と話すことで“リアルの良さ”を体感した人も多かったと思います」

その一方、今回の万博のシンボルになった大屋根リングについては、

「多様でありながら一つを感じさせる場所としてとても良かった。大屋根リングを見れただけで『来た甲斐があった』と感動する人がたくさんいました。リングを歩きながら小さな地球を感じられた人も多かったはずです」

と大絶賛した。

大阪・関西万博の目玉となった大屋根リングを背景に笑顔の山田さん(撮影/集英社オンライン編集部)
大阪・関西万博の目玉となった大屋根リングを背景に笑顔の山田さん(撮影/集英社オンライン編集部)