背景には「理容師の減少」
女性客が増えた要因には、最近の物価高の影響もあるという。
「割引クーポンを利用していろいろな美容室を利用される方も多いと思いますが、美容室からすればリピートしてほしいので、悩ましいですね。そうした状況も影響してか、今、美容室が過去最高の倒産件数になっています。
さらに、理容師の数が減ってきています(令和4年度末時点で204,883人・10年前と比較して33,203人減/厚生労働省「衛生行政報告例」)。昔は理容師と美容師が半々くらいでしたが、今は理容師免許を取る人がほとんどいなくなってきています。
この状況のままでは、皆さんが行かれる美容室がなくなる、ということが起こり得るかもしれません。特に、地方から『自宅兼店舗』というような理美容室がどんどんなくなってきていますので、理美容室難民が出てくるのではないかと考えています。こうした現状を少しでも多くの方に知っていただき、理美容師に関心を持っていただけたらと思います」
物価高が進む中で、「コスパ」を重視する消費者がさらに増えるだろう。それでも、理美容業界が創り出してきた技術やサービスの価値が失われるわけではない。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班