泥沼離婚の定義と、円満離婚のコツ

数々の愛憎乱れる離婚劇を“円満離婚”へと導いてきた原口さん。そもそも離婚の“泥沼化”とはどういった状況なのか。

一つ目は、「心の整理ができず、ずっと悔いが残ること」。

原口さんの母も23年前、裁判の末に離婚を成立させたというが、「母は最後、兄に促されて父と和解しましたが、『本当は最後まで争いたかった』と今でも悔いています。大事な決断を他人に委ねないことが大事です」

二つ目は、「離婚に行き着くまでに時間がかかり、離婚裁判に発展するケース」だ。

「離婚のために裁判を起こす夫婦って全体の1%なんです。特に芸能人ってイメージを下げたくないので、比較的さっさと離婚する方が多いんですが、川﨑麻世とカイヤ夫婦は控訴審まで争われていました。最後、麻世さんが逃げ切る形で決着をつけましたが、あれはまさに“泥沼離婚劇”の代表だったと思います」

では離婚をこじらせる人と、希望条件で離婚にたどり着ける人の差はなんなのか。原口さんいわく、最も重要なのは「心の整理」だと説く。

「相談者の中にはパートナーへの恨み節を延々と吐き出す方も多い。そういう方には1冊のノートを用意してもらい、そこに恨み辛みを思う存分書き出してもらいます。それを終え、スッキリした状態で、なぜ離婚したいのか、離婚後の人生をどう歩みたいのか、自分自身に意識を向けてもらいつつ、一緒に考えていく手法を取っています。

『あいつが悪い』だけだと遺恨を残しやすい。たとえ、それがパートナーの浮気だったとしても、なぜ浮気が嫌だったのかを探ることで、どういうパートナーシップを望んでいるかが明確になります。そこで修復に切り替える人もいれば、離婚に舵を切る人もいる。行きたい方向が明確になることで答えはおのずとでてくるのです」

数々の離婚劇を円満離婚へと導いてきた原口弁護士
数々の離婚劇を円満離婚へと導いてきた原口弁護士