「これほどの過熱した報道になるとは思ってもいなかった」
議会終了から約20分後、小川市長は報道陣の前に現れたが、司会の職員が「質問は受けない」と言ったのに続き「ただいま、議員の皆様に今回の件について説明をさせていただきました。一昨日ですね、記者会見でお話をした内容と同じ内容になりますけれども、議会の皆さんにも色々とご意見をいただきまして、今後のことについても考えていきたいというふうに思っております。私からは以上です」と話し、一方的に話を打ち切った。
小川市長は「今後のこと」を考えると言ったが、この直前に全市議に対して行なった10分程度の説明の場で、続投の意向を匂わせていたことが分かった。富田公隆議長が内容を話した。
「(小川市長からは)『しっかりと反省しながら、市民のためにですね、引き続き力を尽くしてまいりたい』『できるだけ早く通常の市政に戻していきたい』という言葉がありました」(富田議長)
小川市長は市議らを前に「公人として本当に自覚が足りなかった」と反省の弁を述べ、「市民の方にショックを与えたのは本当に申し訳ないと思っている」と謝罪も口にしたが、今回の報道を見て「これほどの過熱した報道になるとは思ってもいなかった」とも口にしたという。
こうした言葉を聞いた市議らからは、
「就任してから1年7か月、多くの市民から信託を受け市民のために働いてくれる市長ということで応援してきたけれど、このダメージは計り知れない。市民もわれわれも相当ダメージになっている」
「ラブホテルっていう言葉もあるけどスキャンダルの内容が政治家としてのレベルを逸してる」
との不満が続出したという。
小川氏は市政刷新の象徴ともいえる市長デビューを果たした人物。それだけに今回の余波は大きい。県内の連合関係者がその事情を話す。
「群馬県は中曽根康弘首相や福田赳夫元首相らが輩出した保守王国ですが、強固な鉄道労組組織などを地盤に旧社会党系も一定の力を持っています。そんな群馬の県庁所在地である前橋市で、昨年2月の市長選では、3期務め自公が推した前市長・山本龍氏を連合や旧社会党系組織、共産党などが推した小川さんが破って当選したんです。久しぶりの大勝利に関係者は泣いて喜んだものです」