秋は抜け毛が増える!? その原因は「夏の紫外線」

今年も全国各地で猛暑日(最高気温35℃以上)が続いており、日本列島は厳しい暑さに見舞われている。

近年日本では猛暑日が増加している。それに伴い紫外線量も増えており、人体への影響を示す指標である「UVインデックス」も上昇傾向。環境省は「UVインデックスが3以上の日は日差しを避け、8以上の日は外出を控えるのが望ましい」としているが、実際に8以上を記録する日も年々増えている状況だ。

「UVインデックス」は紫外線が人体に及ぼす影響の度合いを示すために、“紫外線の強さ”を指標化したもの(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/env/uvhp/3-50uvindex_manual.html)
「UVインデックス」は紫外線が人体に及ぼす影響の度合いを示すために、“紫外線の強さ”を指標化したもの(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/env/uvhp/3-50uvindex_manual.html)
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この“強い紫外線”は、肌へダメージを与えることでよく知られているが、それだけでなく「髪」にも大きな影響を及ぼすことをご存知だろうか。夏に浴びた紫外線が、実は「秋の抜け毛増加」の一因になっているのだ。

秋は、抜け毛の悩みが顕在化しやすい時期と言われている。実際、2019年~2024年の「抜け毛」に関するインターネット検索数の推移を季節ごとに見ると、9月~11月に検索数がもっとも多いことがわかっている(*1)。

では、紫外線と秋の抜け毛増加には、どのような関係性があるのか。

そもそも毛髪には一定の寿命があり、その生え変わりの周期は「ヘアサイクル」と呼ばれている。一般的に、髪は2~6年間の成長期を経て、退行期に入ると成長が止まる。その後、3~4カ月の休止期を経て自然に抜け落ち、再び毛穴から新しい毛髪が生えてくる――これが、ヘアサイクルの一連の流れだ。

しかし、強い紫外線を浴びると、毛髪を生成・保護する皮膚組織「毛包(もうほう)」がダメージを受けることがある。さらに頭皮が炎症を起こすことで、髪の成長期が短くなり、太くしっかりした髪に育つ前に休止期へと移行してしまう。その結果、抜け毛が通常より早い段階で進み、次に生える髪も細く弱いものになりやすい。加えて、一度退行期に入った髪は、成長期に戻ることはない。

つまり、夏の紫外線から頭皮を守ることは、抜け毛や薄毛を予防するうえで欠かせない対策の一つなのである。


(*1)…Googleトレンドのデータをもとに大正製薬が調査