辞任を求める署名1万158筆を代表者が市長に提示
「解散に大義はないですよ。田久保市長と市議会は政策で対立していたのでもありません。学歴詐称疑惑への対処で田久保さんが一度表明した辞意を撤回したことなどを見て、不信感が高まり、議会が“辞めてほしい”と求めたことに対して解散で応じたんですから」
9月10日午前、田久保市長が市議会の正副議長に議会の解散を通知した直後、市議会のそばで前市議の一人がそう語った。この日、市議会の日程はなかったが、田久保市長が解散を表明するのではと聞いて議会に駆けつけたという。
この前市議は、「市政の正常化と安定化をするために必ず(選挙に勝って議会に)戻ってきたいです」と続けた。
市議会が不信任決議案を全会一致で可決するより前の8月27日、伊東市の市民の代表者が田久保市長の辞任を求める市民の署名1万158筆を市長に提示している。
ただ、地方自治法では地方の首長のリコール(解職請求)は公職者の就任から1年はできない規定になっており、有権者が直接辞任を求めるすべはない。
そこで市の中からは「伊東市長・田久保眞紀氏のリコールを求める会」の名でこの規定が妥当かどうかの議論を呼びかけるオンライン署名運動も起きている。
会の関係者は「1年以内に地方自治法を改正できるとは思っていないが、こうした活動で辞職を促しながら法の欠点の改善につなげたい」と説明。「本来辞職すべき田久保市長が辞めず議会を解散した。意味のない市議選にかかる約4500万円の公費支出は不当で、これを田久保市長個人に負担させるべきだとする監査請求を考えている」と話している。